明治安田生命J1リーグ第30節のFC東京対柏レイソルは10日後のルヴァンカップ決勝と同カード。だからこそ、いつもとはまた違う趣もあったが、クリスティアーノにとっては復帰後初ゴールを決めてさらに思い出深いゲームとなった。

上写真=クリスティアーノがアウェー席に集まったサポーターへ喜びを伝えにいく。2ゴールは見事だった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月28日 J1リーグ第30節(@味スタ:観衆6,632人)
FC東京 1-3 柏
得点者:(東)アダイウトン
    (柏)江坂任、クリスティアーノ2

収穫は総合力で戦えたこと

「いつもは自分がアシストするんですけど、今日は彼の番でしたね」

 満面の笑みだ。彼、とはオルンガのこと。1-0で迎えた後半開始早々に相手のミスからボールを収めたオルンガが、DFを十分に引きつけておいてから横パス、これをクリスティアーノが右足のインサイドできっちりとゴールに送り込んで2-0とした。お待たせしました、クリスの今季初ゴール!

 負傷で長く戦列を離れ、10月3日の第20節横浜FC戦でようやく戻ってきてからは、チャンスはありながらも決め切るところまではいかなかった。その分もとばかりに、2-1とされたあとの75分にも、再びショートカウンターで左からのオルンガのパスを受けて、右足を一閃。GKの横を抜いてゴール左に突き刺してみせた。

「私にとって必要なゴールでした」

 やはり初ゴールは格別だった。「ガンバ戦で2回チャンスで決められなくて」と前節の失敗もあって、なおさら気持ちのいい2ゴール。しかも「息子が今日は2点取ってね、と言っていたみたいです」と家族の後押しも大きなパワーになった。だから、ゴールパフォーマンスは「上の子が好きなソニックと下の子が好きなマリオの真似しました。この2ゴールを2人に捧げたかった」。

 ネルシーニョ監督も「今日のゲームを境に、得点を量産してくれるでしょう。アシストも期待できますし、今後戦いを進める上で彼が自信を取り戻すために意味のあった試合だと思います」と復調を祝った。

 そして何より、素晴らしい内容で戦って勝てたことが、クリスティアーノを喜ばせた。まずは個人のプレーについて。

「個人的に復帰後、一番良かった試合で、得点もうれしいですが、それだけではなくて、守備に貢献するところも監督と話をしていて、これからもっと貢献できることを確信していました」

 得意の攻撃だけに頼らない意識が頼もしい。そして、チーム全体のプレーについて。

「試合後にロッカーで大谷(秀和)、(江坂)任、三原(雅俊)に、今日は本当にいいプレーができたと声をかけました。全体がいい流れでプレーすることができて、いい結果をもたらしました。得点で貢献したこともうれしいですが、収穫はやはりチームの総合力で戦えたことです」

「一人に限らず、攻撃陣が誰でも点を取ったりアシストできる形が本当にいい流れを呼ぶということです。任が先制点を奪って、私が2得点、ミカ(オルンガ)が2アシストで、先制点には仲間(隼斗)も絡んでいます。そして特に目立ったのは古賀(太陽)で、大谷もバランサーになってくれました。私が点を取ったりアシストしたりできていなくても、このサッカーができれば満足して家に帰れたと思います」

 そしてこの戦いを、「(ルヴァンカップの)決勝でもやりたい」と誓うのだった。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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