サンフレッチェ広島と横浜F・マリノスが激突する明治安田生命J1リーグ第32節が、日程を前倒しして開催された。先制機を逃した横浜FMに対し、広島が効果的に加点し、前回とは逆のスコアで雪辱を果たしている。

上写真=浅野(29番)のアシストで先制点を挙げた広島が3得点で勝利(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月28日 J1リーグ第32節(@Eスタ:観衆1,984人)
広島 3-1 横浜FM
得点:(広)レアンドロ・ペレイラ、オウンゴール、永井龍
    (横)チアゴ・マルチンス

・広島メンバー◎GK林卓人、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF柏好文(82分:井林章)、川辺駿、青山敏弘、東俊希(61分:茶島雄介)、浅野雄也(72分:永井龍)、エゼキエウ(61分:森島司)、FWレアンドロ・ペレイラ(82分:ドウグラス・ヴィエイラ)

・横浜FMメンバー◎GK高丘陽平、DF小池龍太、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン、MF渡辺皓太(37分:喜田拓也)、和田拓也(65分:マルコス・ジュニオール)、天野純(76分:オナイウ阿道)、FWエリキ、ジュニオール・サントス、前田大然(76分:水沼宏太)

少ないチャンスを生かす

 横浜F・マリノスのAFCチャンピオンズリーグに備え、第32節を前倒しで開催した一戦。ナイトゲームながらも冷え込みは厳しくなく、約2000人の観客が見守った。
 
 立ち上がりの5分、サガン鳥栖からの期限付き移籍後、横浜FMでの初出場となったGK高丘がエリア内で足を滑らせ、詰めたサンフレッチェ広島MF浅野が左足で狙ったものの、ボールは枠を捉えず。以降は攻守が激しく入れ替わる攻防から、横浜FMが徐々に押し込んで良い形を作り始めた。
 
 22分にはゴール前に入り込んだDFティーラトンのパスからFW前田がシュートを放ち、広島GK林がセーブしたこぼれ球をFWジュニオール・サントスが狙うが、広島DF佐々木にブロック。飲水タイムを挟んで26分には、右サイドを破ったFWエリキのセンタリングに、左ウイングの前田がニアサイドまで走り込んで合わせたものの、これも広島DF野上にブロックされた。
 
 劣勢をしのいだ広島は、29分に浅野が惜しいシュートを放って流れを変えると、33分に少ないチャンスを生かして先制点を奪う。左サイドでボールを持った浅野が縦にドリブル突破してセンタリングを送り、中央でFWレアンドロ・ペレイラがヘッドで合わせてネットを揺らした。
 
 横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督は、37分に早くもMF渡辺に代えてMF喜田を入れ、中盤をてこ入れ。後半にかけて主導権を奪い返そうとするが、広島は62分に追加点を奪う。右サイドからのFKを浅野が中央に送ると、横浜FMのDFチアゴ・マルチンスがヘッドで触ったボールが、横浜FMのゴールへ。川崎秋仁副審が旗を上げていたものの、荒木友輔主審は得点を認め、オウンゴールでリードを広げた。
 
 その後は堅く守りつつ追加点のチャンスをうかがう広島に対し、横浜FMは何とかこじ開けようとするが、決定機を作るには至らない。逆に広島は試合終了間際にカウンターで攻め込み、エリア内で突破を図ったMF森島が横浜FMのDF畠中に倒されたとしてPKを獲得。映像を見る限り大きな接触はなかったが、このPKをFW永井が決めて3点目(得点時間は90分)。今季加入した永井は待望の広島での初ゴールとなった。

 その後に横浜FMが意地を見せてエリア内に攻め込み、広島DF野上のハンドリングの反則でPKを獲得。これをチアゴ・マルチンスが決めて(得点時間は90分+5分)一矢を報いたものの、再開直後に試合終了となり、広島が勝利をつかんだ。

 アウェーで対戦した8月の第12節では1-3で敗れていた広島は、前回とは逆のスコアで雪辱を果たした。城福浩監督は「相手が圧力をかけてくることは想定していたが、2つくらい決定的なシーンを作られたことは反省しなければいけない」と序盤の劣勢を指摘しつつ、「そこをゼロでしのげたのは大きかった」と評価。「最後の1失点は残念でしたが、選手が我々らしさを出すことに集中してくれた90分間だったと思うし、勝ってサポーターと喜び合えたのはよかった」と2試合ぶりの勝利を振り返った。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


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