ルヴァンカップ決勝と同じ顔合わせとなる明治安田生命J1リーグ第30節、柏レイソル戦を前にFC東京のCB渡辺剛が取材に応じた。過去2戦でゴールを決め、苦手意識はないという柏との『前哨戦』で勝利を収めることが大事だと話した。

上写真=柏戦を前にトレーニングする渡辺(写真◎FC東京)

オルンガ以外にも気を配る

 前節、横浜F・マリノスに0-4で敗れたショックを引きずることなく、渡辺はしっかり結果を受け止めて気持ちを次へと切り替えていた。失点を重ねた試合で最もフォーカスすべきは1失点目のあとのチームの振る舞いだったと話す。

「1失点目のあとにちょっと気持ちが沈んでしまって、悪い流れで失点したのが大きな敗因だと思っています」

 狙い通りのゲームプランを試合開始時から遂行しながら、得点を挙げられずに失点でリズムを崩すことになった。下を向く選手たちの中で、顔を上げさせる役目を果たせなかったことを悔やむ。さらに悪い流れの中で、アルトゥール・シルバがラフプレーで退場。チームの雰囲気が、悪影響を及ぼしたと振り返る。

「(ガンバ大阪戦の)レアンドロもそうですし、アルトゥールもそうですけど、チーム全体の雰囲気が良くないからこそ、ああいうファウルをしてしまう。それだから自分をコントロールできていない状況が起きたと思う。まずはチームとしてそういう雰囲気を作らせないことが大事。全体的に盛り上げて、次は点を取りに行くぞという気持ちのときに、ああいうプレーはしないと思いますから。サッカー選手としてというよりも人としてやってはいけないプレー。ブラジル人選手とも話して、反省していると思いますが、自分たちとしてもああいうプレーを許さないようにしないといけない」

 選手に自制を促すのはもちろん、チームとしてもラフプレーを働かない雰囲気を作っていきたいと言った。東慶悟が負傷で戦列を離れている現在、キャプテンマークを巻いてピッチに立つ渡辺は、チーム全体の問題として、今回の問題をとらえている。

 明日28日に開催されるリーグ戦では、11月7日のルヴァンカップ決勝と同じ相手、柏レイソルと対戦する。言わば、前哨戦だ。リーグ戦の連敗を止める意味でも勝利がほしいが、渡辺はより『強い』結果が必要だとした。

「ここで相手に、FC東京が嫌だと印象づけることでルヴァンカップの決勝がやりやすくなる。逆に相手のペースでやられてしまうと、ルヴァンの決勝も勢いよく戦われてしまう。そういう意味ではリーグだけではなくて、ルヴァンの決勝につながる試合だと思っています」

 今回の前哨戦は出し惜しみすることなく、FC東京の持ち味を発揮して、相手に嫌な印象を植え付けたいという。それこそが決勝も見据えた渡辺の考えだ。敵の大砲オルンガに対しても、封じるイメージはできている。

「一瞬でもスキを与えたら、決める決定力があると思うので、まずはしっかり集中して、マークに付くというのは考えています。ただ、その他の選手も得点力があるので、いろんなところに気を配りながらやりたい。最後はオルンガ選手に来るのは分かっているので、クロス対応だったり、裏抜けのタイミングを逃さないように。森重(真人)さんともそんな話をしています」

 オルンガにもFC東京のDF陣は厄介だと印象付けることが重要だ。ルヴァンカップ決勝を前に、しっかり『前振り』を効かせておきたいところ。

「(相性の良さは)あまり考えないようにしていたんですけど、前回の試合も(自分が)点を取れていて、2試合で点を取れているので、いい印象はあります」

 昨季のルヴァンカップ、グループステージ第1節の対戦ではCKの場面でニアに飛び込み、ヘッドで得点を記録した。今季はリーグ再開初戦で対戦し、右CKの場面で森重の折り返しに反応。ボールを押し込み、決勝点を決めている。今回も得点は狙っていきたいと力強く話した。

 守備面はもちろん攻撃面でも、柏に苦手意識をしっかり植え付ける。明日の前哨戦、渡辺のミッションはコンプリートとなるか?


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