多くのチャンスを作りながら決め切れず、FC東京は横浜FC、横浜F・マリノスに連敗することになった。チームを率いる長谷川健太監督はルヴァンカップ決勝と同カードとなる明日28日の柏レイソル戦にどのような心構えで臨むのか。指揮官が語った。

上写真=柏戦に向けてトレーニング中の長谷川健太監督(写真◎FC東京)

チーム力を結束して、いい流れに持っていく

 前節、横浜F・マリノスに敗れて、今季初の連敗を喫したFC東京だが、チームとして問題点をしっかりと共有できている。柏レイソル戦を翌日に控えて取材に応じた長谷川健太監督は、チーム状態について改めて語った。

「選手たちも十分に分かっていると思います。決めるところを決めないと、ああいう結果になってしまう。FW陣は自分たちの不甲斐なさに気づいたと思いますし、守りの方も『チャンスのあとにピンチあり』ではないですけど、安部(柊斗)がシュートまでいって、そのあとに失点されてしまった。気を抜いていたわけではないですし、人もいたんですが、一瞬のスキを突かれてしまっては何もならないということです。決めるところをしっかり決めるという部分と、例えば1失点したとしても2点目はやらせないことが大事。そしてラフプレーで(アルトゥール・シルバが)退場となりましたが、試合を壊さない、しっかりとフェアプレーで戦うというところはクラブの方からも、私からも選手たちに話しました」

 横浜FM戦は前半からアグレッシブに戦い、FC東京ペースでゲームが進んだ。決定機の数もFC東京のほうが多かった。実際、試合を通じて放ったシュート数は横浜FMが8本なのに対し、FC東京は14本。うち9本が前半に記録したものだ(相手は2本)。狙い通りに試合をスタートさせながら勝利をつかめなかったということになる。

「(柏戦は)選手も十分に意識をもって、戦ってくれると思います。内容的にすべてが悪かったということではないので、いいところは継続しながら、と思いますが、こういう流れを変えるのにはそれ相応のパワーが必要。チームの力を結束して、この流れを食い止めて、いい流れに持っていきたいと思います」

 決定力とともに横浜FM戦で、もう一つ問題だったのは、1失点目の直後に、失点を重ねたことだった。攻めながら失点したことでチームの『テンション』が落ち、相手に畳みかけられるスキを与えてしまった。指揮官も試合後に、ピッチでチームを鼓舞する存在が必要だと話していた。

「(連敗した状況を踏まえて)選手同士で話をしているみたいなので、選手の中でもこういう状況を変えていかないといけないという思いが自発的に出ているのだと思います。もちろん、その音頭を取っているのはヒガシですが(東慶悟)、(負傷により離脱中の)彼が戻ってくるまでは、高萩(洋次郎)だったり、森重(真人)だったり、(永井)謙佑だったり、経験のある選手たちがしっかりとチームを引っ張っていってほしいと思っています」

 手綱を締め直して臨む明日の柏戦は、11月7日に行なわれるルヴァンカップ決勝と同じ顔合わせでもある。手の内をどこまで見せるのか、どういうスタンスで臨むのか、難しさもあるが、長谷川監督はきっぱりと言った。

「難しい戦いだと思いますが、ホームでしっかり勝てるようにメンバーをそろえていきたい。チーム全体で、この流れは変えていかないといけないと思っています」

 朗報はガンバ大阪戦でラフプレーにより退場し、3試合出場停止処分を受けていたレアンドロが戻ってくること。指揮官も「最後のピースというところで、一つ変化を加えられる」存在と認めるFWだが、心配なのは「素行というか、そういうところが伴わないと全く逆効果になってしまう」という点だ。

 柏に勝利し、週末の多摩川クラシコ、そして11・7のルヴァンカップ決勝へーー。11月後半から12月にかけてACLも控えるが、長谷川トーキョーにとって、明日からの11日間は今シーズンの大きな山場になる。チームが結束し、その力を示すときだろう。


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