明治安田生命J1リーグで今季初の連敗を喫した名古屋グランパス。中2日での上位連戦は難しい結果に終わったが。稲垣祥はもちろんそこから教訓を得ている。そして、チームの根幹をなすコンビへの自信も手にしている。

上写真=稲垣祥は24試合2136分出場と、今季はほぼフルタイム働いている(写真◎Getty Images)

「お互いに信頼し合っています」

 名古屋グランパスが今季初の連敗を喫してしまった。10月18日のJ1第23節で川崎フロンターレに0-3、21日の第33節で横浜F・マリノスに1-2。中2日の上位との連戦と非常にタフな条件だった。ただ、コンディションが厳しい中でも、稲垣祥は「全員が踏ん張るところを踏ん張ってやらないといけないですが、メリハリを効かせてやれることとやれないことを試合の中で判断しながら進められればいいと思います」と教訓を得ている。

 その「メリハリ」を司るのがボランチだ。

「チーム自体の速さ、テンポをコントロールすることや、攻撃のところなら速く攻めるのか落ち着かせるのか、守備のところなら前からはめにいきたいのか引いてブロック作るのか、そういう全体のコントロールはボランチというポジションですから、大事な役割だと思っています」

 速く攻めてもゆっくり攻めても、積極的なプレスで奪いにいってもブロックを敷いて守っても、チームとしてそれぞれに対応できるからこそ、どれを選択するかのスイッチャーの役割である自分の重責を感じている。

 もちろん、「一人でやるスポーツではない」から、周囲との連係がポイントになってくる。米本拓司とのボランチのユニットはJ1でも屈指のレベルにあるだろう。

「役割分担というか、お互いにお互いの特徴を分かっていますし、2人がいるからこそ表現できるパフォーマンスもあります。お互いに信頼し合っていますし、たぶん外から見て目に見えないところでは、ポジティブに働いている要素が多いと思います」

 コントロール役のコンビネーションが万全であることは、チームが自信を持って戦う基盤になる。いまこそ誇れるその「特徴」とは?

「お互いが幅広くカバーできるところがありますね。どちらかのボランチがそこが苦手なタイプだと、どちらかがボールを奪いにいってももう一人がついていけなくてはがされてという展開になるのですが、どちらかが出ていってもスペースをカバーしきれる能力はお互いに持ち合わせているので、ボールサイドの選手がちゅうちょなくボールに行けるんです。これは一例ですけど、ポジティブな関係性の一つかなとは思いますね」

 どちらも運動量が豊富で、球際に強く、長短のパスを配って攻撃を組み立てられる。いよいよあと10試合。2人の相乗効果をさらに増幅させて、一つでも上の順位に駆け上がる。


This article is a sponsored article by
''.