明治安田生命J1リーグでFC東京は2位を堅持している。今季は若手が続々台頭してきたが、原大智もその一人。第22節ではピッチに入って2分後にダメ押しゴールをアシストした。結果を残さなければ生き残れない危機感を口にする。

上写真=短い時間で結果を残す。原大智は覚悟を持って戦っている(写真◎FC東京)

すぐに100パーセントを出せるように

 結果を残すことがいかに重要か。原大智はその意欲を隠さずにプレーした。

 J1第22節の清水エスパルス戦で、原がピッチに入ったのは90分のことだった。プレー時間はアディショナルタイムのみ。

 2-1でリードしている状況だから、冷静に時計の針を進めてしっかりと勝利のホイッスルを聞く必要がある。そのとき、左サイドの深いところにボールが出てきた。高萩洋次郎がキープに入ろうとした外側から、颯爽と入ってきたのが原だった。

「高萩さんには特に声をかけたわけではありませんでした」というから、本当に滑るようにして出ていった勢いのままにボールを運ぶと、左足でセンタリング。GKが触れない絶妙なコースを抜けて、中央に走り込んできたアダイウトンにピタリと合って、勝利を決定づける3点目が生まれた。

「守りに入るかという状況で、どうしようか考えたんですけど、いい感じで高萩さんが相手を抑えてくれたのでそのまま行きました。感覚で上げたらアダイウトンがいいところにいてくれましたね」

 センタリングも特に中央を見ずに送り込んだというのだから、どれだけ感覚が研ぎ澄まされていたことか。ピッチに入っておよそ2分後の電撃アシストだった。

 短い時間で勝負に出たのはわけがある。もちろん、逃げ切りを図るチームの状況を最優先にした上で、結果を残さなければ生き残れないという危機感が強いのだ。

「ポジション争いは激しいので、結果を出さなければ落とされます。引き続き、自分のいいところを出していきたいです」

 田川亨介、内田宅哉、矢島輝一など、タイプはそれぞれ異なるものの、レギュラークラスに次ぐアタッカーの争いは熾烈で、チャンスを無駄にしたくない覚悟がのぞく。だからといって、ベンチでガチガチに集中を高めるタイプではないという。

「あまり考えないようにして入るんです。体の準備は試合に入ってすぐに自分の100パーセントを出せるようにしますが、特にゴールや結果を意識しすぎないようにしています」

 それが緊張とリラックスのちょうどいいバランスを生むのだろう。

「試合に出るごとに良くなっていると思うので、質をもっと上げていきたいです。アシストやゴールをチームも必要としていますから、リーグ戦もあとわずかだし、しっかり貢献していきたいです」

 ゴールとアシストへの貪欲さは目に見えてプレーに表れている。シーズン終盤、まだまだ活躍の場はあるはずだ。


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