10月10日、ニッパツ三ツ沢球技場でJ1リーグ第21節が行なわれ、横浜F・マリノスが大分トリニータに4-0で大勝した。ケガからの復帰戦で今季初ゴールを奪ったDF松原健が試合後、サポーターへの感謝の思いを語った。

上写真=大分戦で今季初ゴールを奪ったDF松原(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月10日 J1リーグ第21節(@ニッパツ:観衆3,675人)
横浜FM 4-0 大分
得点:(横)松原健、ジュニオール・サントス、エリキ2

「アグレッシブなプレーに専念していた」

 前半から膠着状態が続くなか、試合を動かしたのは右SBの一振りだった。

 55分、左SBのティーラトンが送ったクロスは相手DFに跳ね返されたが、クリアボールに反応した松原が左足を一閃。ペナルティーエリア外からダイレクトで放たれたボレーシュートに相手GKは一歩も動けず、ボールはゴールネットに吸い込まれた。

「どちらが先制点を取るかによって試合に流れが決まるようなゲームだった。なかなか自分たちのやりたいサッカーができない中でああいう点を取れて、流れを引き寄せられたことが良かった」

 その言葉どおり、松原の先制点を機に試合の流れは横浜FMに傾き、その後ジュニオール・サントス、エリキが追加点。終わってみれば今季4度目の4ゴールでリーグ戦3試合ぶりの勝利をつかんだ。

 松原にとっては公式戦4試合ぶりの出場となった。9月27日に行なわれた第19節・柏レイソル戦の前半に相手MF戸嶋祥郎と激しく接触し、戸嶋は左脛腓骨を骨折(全治約4~6カ月)。その際に松原も足を痛め、ハーフタイムにピッチを退いていた。

 危険なタックルに対してネット上では非難が集まり、「SNSで誹謗中傷の言葉を多く受けました」と松原。「でも、それ以上にマリノスのサポーターの皆さんから暖かいメッセージだったり、励ましのメッセージを多く貰って、それが自分のパワーになりましたし、このチームでよかったな、と心の底から思えました」とサポーターに感謝した。

 戸嶋とは試合後に連絡を取り、本人に直接謝罪したという。松原は「彼は人間ができていて、自分がケガをしたのに僕の心配までしてくれました。あのプレーは仕方のないプレーだったと言っていただけたので、その言葉に僕は心を救われました。最後にはまたピッチで戦うことをしっかり約束できたので、そうやって話せたことで背負っていたものが少し楽になりました」と胸中を明かした。

 気持ちを切り替えて臨んだ復帰戦で今季初ゴール。「起こってしまったことはしょうがないし、ずっと自分がくよくよしてプレーしていたら相手選手(戸嶋)も、なんだコノヤローと思っちゃうと思うんです。なので、そこはしっかり切り替えて、アグレッシブなプレーをすることに専念していました」。この日の活躍はきっと戸嶋にも届いているはず。2人の約束が果たされるのは来季以降になるが、そのときを楽しみに待ちたい。

取材◎多賀祐輔


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