明治安田生命J1リーグ第29節は9月30日、各地で開催され、埼玉スタジアムではFC東京が敵地で浦和に無失点勝利を飾った。37分に永井謙佑が先制点を奪い、後半も粘り強く守って逃げ切った。一方、浦和はゴールが遠くホームで2連敗を喫した。

上写真=FC東京の決勝点を挙げた永井謙佑にチームメイトが駆け寄る!(写真◎Getty Images)

■2020年9月30日 J1リーグ第19節(@埼スタ/観衆5,623人)
浦和 0-1 FC東京
得点:(F)永井謙佑

・浦和メンバー◎GK西川周作、DF宇賀神友弥(85分:宇賀神友弥)、槙野智章、トーマス・デン、橋岡大樹、MF汰木康也(75分:レオナルド)、柏木陽介(85分:杉本健勇)、柴戸海、長澤和輝(66分:マルティノス)、FW 武藤雄樹、興梠慎三

・FC東京メンバー◎GK林彰洋、DF中村拓海(88分:中村帆高)、渡辺剛、森重真人、小川諒也、MF三田啓貴(68分:原大智)、アルトゥール・シルバ、安部柊斗、田川亨介(46分:内田宅哉)、FW永井謙佑(75分:髙萩洋次郎)、レアンドロ

勝てなかった歴史を変えるんだ(長谷川監督)

 FC東京の分厚い守備ブロックは簡単には崩れなかった。左右に展開されても、素早くスライドして対応。縦パスを入れられてもバランスを崩すことはない。さっと陣形を整えて、ペナルティーエリア前に壁を築く。アーリークロスをはね返すなんて、お茶の子さいさい。さらに、鋭く牙までむいた。

 0-0で迎えた37分、相手のクリアミスを見逃さなかった。ペナルティーエリア内でボールを拾ったレアンドロから永井謙佑へとボールはつながり、あっという間にゴールネットが揺れる。シュートは相手GKに一度は防がれたが、永井が落ち着いて蹴り込んだ。

 試合は狙い通りの展開で進む。先制点を奪えば、磨きをかけてきた堅守速攻のスタイルを貫くだけだ。守備ブロックを一定のラインに保ち、メリハリの効いた速攻を仕掛けていく。70分には鋭いカウンターアタックを披露。レアンドロがドリブルでぐいぐいボールを運び、一気に相手ゴール前へ迫った。そして、得意の守りもしっかり固めた。

 2トップの永井、レアンドロは最前線から自陣の深い位置まで戻り、猛烈にプレス。途中出場した原大智らも精力的に守備に加勢し、ピンチとなれば、全員でしのいで連敗を阻止した。勝ち点を41まで伸ばし、2位のC大阪に肉薄。鬼門となっていた埼玉スタジアムで17年ぶりに勝利を挙げ、長谷川健太監督も満足げだった。

「(浦和に)勝てなかった歴史を変えるんだとの思いで臨み、集中して戦ってくれた。昨季はロスタイムに追いつかれたが、今季は同じ轍を踏まないようにした。最後まで下がることなく、前線からプレッシャーをかけた。昨季の悔しい思いが勝利につながったと思う」

 一方、ホームで2連敗を喫した浦和はゴールが遠かった。2試合連続で無得点で終わり、スタジアムには重苦しい空気が流れていた。リモート会見で顔を見せた大槻毅監督は言葉少なに振り返った。

「この試合に向けて準備してきたが、FC東京を上回ることができなかった。悪いところは認めますが、いいところも見逃さずに次につなげたいです」

 柏木陽介がスタートからボランチに入り、攻撃が活性化したのは明るい材料か。

取材◎杉園昌之


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