明治安田生命J1リーグで他チーム以上の過酷な連戦に挑んでいるのがFC東京。暫定2位のセレッソ大阪との決戦を2-0でものにして、さらに突き進んでいく。ここ6試合に出場している田川亨介も歩調を合わせるように上向きだ。その集中力の秘密とは?

上写真=守備ラインを突破する高速ランが持ち味。周囲とのコンビも上がってきた(写真◎J.LEAGUE)

「ダブルの動きで背後へ」

 FC東京の田川亨介が好調だ。9月5日のJ1第14節大分トリニータ戦で負傷から復帰、先発でピッチに立ってからは6試合連続で出番を得ている。9日の第15節横浜FC戦で決めた今季初得点をはじめ、ゴールに絡むアクションが増えているのが、好調の証だ。

「自分のことに集中できているというか、やるべきこと整理できているから余計なことは考えずに済んでいるんです」

 好リズムの源は「考えないこと」だった。余計な悩みなくピッチに立てていることが、集中力をもたらしているというわけだ。今季は7月12日の第4節横浜F・マリノス戦で肩を負傷してから戦列を離れていたのだが、その間もメンタル的に落ちることはなかったという。

「ケガしたからといって何か落ち込んだりというのはあんまりしないんですよね。いろいろな人のプレー見て学べることもあるし、何をしなければいけないか頭で考えて過ごす時間ができてよかった」

 ピッチを離れれば、考える。ピッチの中では、考えない。このコンビネーションが田川流の集中力アップメソッドだろう。

「ケガした試合では前にどんどんゴールに向かうプレーができていたので、リハビリ中もそれをイメージしながら過ごしていました。そういうプレーを増やしていこう、と」

「高校時代からケガをしても考え込むタイプではないので、もとから落ち込むとか気になるとかにならない性格かなと思っています」

 どうやら、元来の性格によるところも大きいらしい。そのブレないメンタルをベースにして、ピッチの中で自分自身がチームを変えていくという意識が高まったことが大きい。

「積極的にゴールに向かう姿勢は、去年よりはフレッシュに臨めているのが一番大きいと思っています」

「監督からも裏に速く抜けることは第一優先として言われていますし、それが自分の仕事であり、良さだと思っているので変えずにやっていきたいです。状況によっては時間を作るプレーも必要ですけど、仕掛けていくことは増やしていきます」

「去年より得点に絡む回数が増えていると思っていて、外国人選手とのコンビネーションもかみ合ってきていると思います。これを続けていければ、もっともっと得点できると思います」

「自分がゴールに向く姿勢を見せることで別のところでパスができるスペースが見えたりしているので、幅が広がっている印象がありますね」

 気負わずに、しかし次々に飛び出してくる前向きな言葉は、聞いていて気持ちがいい。中でも、このフレーズが印象的。

「3トップの真ん中の選手とダブルの動きで背後に抜けることが求められています」

 自分とは逆サイドにボールがあるとき、3トップの中央の選手と連係してどのようにゴール前に入っていくのか。その瞬間を見逃さないように、ぜひ目を凝らしてみてほしい。


This article is a sponsored article by
''.