明治安田生命J1リーグで名古屋グランパスは連戦の間の一休み。しかし、成瀬竣平は新たな刺激を取り込んでいた。U-19日本代表候補合宿で内田篤人から学んだエッセンス。日本のレジェンドの直接指導で自慢の攻撃が勢いを増す。

上写真=今季リーグ戦12試合に出場して驚くほどの成長を見せている(写真◎Getty Images)

動き続けて考え続けて

 今季の名古屋グランパスで大きな話題の一つが、成瀬竣平の台頭だろう。右サイドバックのポジションを確保して、J1で12試合、ルヴァンカップで3試合に出場、うち13試合が先発出場だ。

 魅力は何よりも攻撃のところ。成瀬本人はこんな風に自己分析している。

「守備はまだまだで、質を上げていかなければと思っています。守備から攻撃に移ったときも、パスを出してから自分が前に出ていくところや、そのパスをどこにつけるのか、手前にだけではなくて奥の選手のフリーランを見てロングボールを出す配球の部分で質を上げていきたい」

 大きな刺激になったのが、U-19日本代表候補トレーニングキャンプに参加したことだ。9月14日から3日間、千葉県内で行われたこのキャンプには、鹿島アントラーズで現役を引退したばかりの内田篤人がロールモデルコーチとして参加していた。同じ右サイドバックのレジェンドから直接アドバイスをもらえる最高の時間だった。

「一番はパスのところで、自分として優先順位は奥から持っていなければいけないんですけど、試合で手前から探してしまうところがあるんです。内田さんに言われたのは、逆サイドのサイドハーフから見ていれば手前はだいたいで見える、ということで、そこを意識して練習していました」

 サイドバックがボールを持ったときに遠くを見るというセオリーはもちろん意識しているが、「逆サイドのサイドハーフ」という具体的な基準を授けられたのは大きいはずだ。試合中に手前を見てしまいがちだという反省は、ハイプレッシャーの中で時間を削られて視野が狭くなることが理由の一つだろうが、「内田スタンダード」を取り込むことによってそれがクリアできれば、また一つ階段を上がることができる。

 U-19代表の影山雅永監督からは「縦パスで出ていくところ、攻撃的なところを出してほしいと言われた」という。自慢の攻撃力を認められて代表入りしたことで、攻撃への自信と意欲が次々と湧き出てくる。

「代表とグランパスでやることはコンセプトとして違うので、グランパスでやることと代表でやることを分けてやっていきたい」

「守った中でサイドバックからどういった攻撃の関わり方をしていくのかが大事だと思います。自分としても最後の一分一秒まで大事にして、攻撃的なところで最後まで絡み続けることがチームの勝利のカギにもなるので大事にしたいです」

「試合の中で歩いている時間を少なくして、常に動き続けて、頭でも考え続けて90分を通してやりきるところと、攻撃的なところでまだアシストしていないので結果として残すために、試合に出られるように練習していきたいです」

 2-3で敗れた前節の横浜FC戦はベンチ外だった。シーズン途中にオ・ジェソクが加入して、ポジション争いは激しくなっている。だからこそ、内田篤人の教えを自分なりに消化して、これからも攻撃を磨いていくつもりだ。


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