川崎フロンターレに1-5と大敗した試合で、浅野雄也は途中出場からサンフレッチェ広島の唯一のゴールをもたらした。大量リードを許している状況の中、若きアタッカーはどんな思いでピッチに入っていたのか?

上写真=見よ、この鋭い眼光を。浅野は諦めずに最後までゴールを狙い続け、そして1点をスコアした(写真◎J.LEAGUE)

絶対に点を取ってやると思っていました

 悔しい大敗の中で、一矢報いたのが浅野雄也だった。0-4とされたあと、64分に登場。およそ30分、ピッチを駆けた。

 ネットを揺らしたのは、90分。川崎Fの一瞬のスキを見逃さなかった。右サイドで茶島雄介が相手のクリアをダイレクトで前方に送ると、浅野がヘディングでつなぎ、ボールがエゼキエウへ渡る。同時に自らはサイドライン際から中央へ走りだし、エゼキエウとスイッチするように再びボールを受け取り、ボックスの外側から左足を豪快に振り抜いた。

 今季4点目。そのうち3点は途中出場から決めたものだ。チームに何が必要で、自身が何をすべきか。浅野は整理したうえでピッチに入り、そして仕事まっとうしてみせる。

「1点、1点を取りにいく姿勢を、途中から出た選手たちで示してチームを引っ張っていけたらなと思っていました」

「自分がピッチに入ったら絶対に点を取ってやると思っていました」

 大きくリードされた中でも、浅野はファイティングポーズを取り続けていた。ゴールの場面、川崎Fの守備陣の足が一瞬、止まったが、そこを見逃さなかった。

「交代選手がよりエネルギーをチームに与えるのは、われわれのテーマにもしている。もちろん、どのチームもそうだと思いますけど、チームがヘッドダウンしそうなときに、彼らが、入っていった選手がハードワークしてくれたことは今後につながると思います」と城福浩監督も、そのプレーを称えた。

 次節はアウェーの柏レイソル戦。広島の方が1試合消化が少ないものの、順位で言えば2つ上、5ポイント差をつけられて7位に位置するチームだ。上位に争いの扉を開くには当然ながら、負けられない相手。

「試合後のミーティングでも監督が言っていたんですが、あれだけ点を取られても、あきらめない姿勢を見せられたことが、今日の唯一のプラスかなと思います。この負けを、みんなで忘れずに1試合を通してスキのないようにしていきたいと思います」

 浅野が挙げたゴールを、本当に次につなげられるかどうか。チームとしてリバウンドメンタリティーが、問われる。


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