横浜FCの下平隆宏監督が名古屋グランパス戦を前に取材に応じた。チームは今、ケガ人が相次ぎ、1試合1試合のメンバー編成に苦労するという厳しい状況にあるが、スタイル的にかみ合う相手との試合で4戦ぶりの勝利を狙うつもりだ。

上写真=ケガ人続出の厳しい状況の中、下平監督は名古屋戦で勝ち点3の奪取を目指す(写真◎J.LEAGUE)

攻撃する時間は作れる

 前節のFC東京戦は先制しながらも逆転負けを喫することになった。中盤で攻撃のタクトを振るう佐藤謙介を休ませ、最終ラインもヨン・ア・ピンやマギーニョが欠場。連戦中につき、コンディションを考慮した選手と、ケガによって欠場せざるを得ない選手がおり、チーム事情はかなり厳しい状態にある。本来、ボランチの瀬古樹を2節前から右サイドバックで起用しているのもそのためだ。

 とくに守備陣の編成が難しいことがうかがえる中で、指揮官はFC東京戦後に苦しい胸の内を明かしていた。

「ほとんどギリギリの状況でCBを回しています。伊野波(雅彦)も疲弊している状況で試合に出てもらっているし、小林(友希)も疲労がある中で出ている。軽い失点、もったいない失点があるなかで、サイドバックもケガ人が多いので、コンバートを含めて考えていかないといけない」

 今季のスケジュールが変更された時点である程度、ケガ人が出ることは予想していた。だが、ここまでの状況は決して想定してはいなかったのだろう。FC東京戦については3バックの採用も検討したというものの、「守備のところの準備期間があまりにも取れないので、ちょっと難しいかと。あとは、うしろにケガ人が出ているので、3バックをやってしまうとサブがいないという状況になってしまう。その点で難しいところもありました」と話した。

 今日13日にホームで迎える名古屋戦のメンバー選考については、こう語っている。

「チームとしてケガ人が多い中でもリスクというか、コンディションを考えてメンバーの選考をしていきたい。名古屋はしっかり守備もしてきますし、失点の少ないチームなので、そういうチームに対していつも通りにしっかり攻撃する時間を作っていきたいと思います。FC東京戦でも十分にやれた部分があるので、名古屋戦でもそこを積み上げたい。結果がなかなか出ていないのですが、自分たちで自信をつけている部分はあるので、そこは続けながらやっていきたいと思っています」

 これまでも強豪相手に攻撃を形づくり、相手ゴールに迫ることはできていた。その部分の自信は深めているが、アグレッシブな守備が持ち味の名古屋に対しては、どうか。

「ホームでできるというところもありますし、スタイル的には十分、やり合えるんじゃないかなと思っています。あとは決定機を決められるか、ゴール前で守れるか」

 指揮官の頭の中に、勝ち筋はある。問題はピッチに立つ選手の状態だ。かつて指揮官は「資金力のあるクラブが順位表の上にいるとは考えたくない」と語っていた。現有戦力の中であらゆる手を尽くし、チームの総合値を上げて、名古屋を迎え撃つ。


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