9日のサガン鳥栖戦、関根貴大のミドルシュートがきっかけで興梠慎三の同点ゴールが生まれたものの、本人にポジティブな感情はなかった。むしろ、一つのプレーを後悔し、試合後もしきりに反省していた。

上写真=反省し、また次へ進む。その繰り返しの中で関根はさらなる向上を目指している(写真◎Getty Images)

■2020年9月9日 J1リーグ第15節(@埼スタ/観衆4,398人)
浦和 2-2 鳥栖
得点:(浦)興梠慎三、武藤雄樹
   (鳥)趙東建、林大地

あの場面は打たないといけなかった

 1点を追う48分、右足を思い切り振り抜き、ペナルティーエリア外からゴールを狙う。試合前から意識していたミドルシュートである。関根貴大の大胆な一発が、興梠慎三の同点ゴールを呼び込んだ。

「うまくシンゾウ君(興梠)がゴールにつなげてくれたので、結果的に良かったです」

 エースの記念すべきJ1通算150ゴールをお膳立てするような形になったが、本人はあっさりしていた。それよりも、1試合通した自身のプレーに納得していなかった。振り返れば、反省ばかり。すぐに頭に浮かべたのは、左サイドからカットインし、ミドルシュートを打てなかったシーンだ。

「いまの僕の力のなさを感じた。あそこで打てないメンタリティーですよね。打たないといけなかった……」

 今シーズンは得点、アシストの数字にこだわると宣言し、自らにプレッシャーをかけている。守備でハードワークするのは当たり前。試合を決める存在になるために、一切の妥協はしないと決めている。

 ヨーロッパから戻り、古巣に復帰して2年目。ドイツのインゴルシュタット、ベルギーのシント=トロイデンでは多くのことを学んできた。それでも、海外での経験は言葉では説明するつもりはない。「ピッチで示したい」と言い続けている。まだまだ披露していないプレーは数多くあるはずだ。

 大きく成長した関根の本領発揮はこれからだろう。今季、目標に掲げた二桁ゴールもあきらめていない。そのために、炎天下のなかでも、すぐに練習に打ち込み。自らを徹底して追い込むことを止めない。

取材◎杉園昌之


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