明治安田生命J1リーグは9月5日に第14節が行われる。絶好調の首位・川崎フロンターレが昨季王者の横浜F・マリノスに挑む一戦は今季の行方を占うビッグマッチだ。川崎Fのキャプテン谷口彰悟は迷いを断ち切って強気で挑む。

上写真=谷口は昨季対戦での屈辱を忘れていない。リベンジだ(写真◎Getty Images)

自分たちがどうしたいのか

 谷口彰悟はあの屈辱を忘れてはいない。2019年11月30日m明治安田生命J1リーグ第33節。この年のホーム最終戦となったゲームで横浜F・マリノスに1-4と大敗、これで横浜FMは優勝に王手をかけ、川崎Fはアジア・チャンピオンズリーグの出場権獲得が遠のく手痛い1敗となった。

「昨シーズン、ホーム最終戦で悔しい負け方をしました。去年からいる選手は悔しさを忘れている人はいないだろうし、ある種のリベンジマッチにもなります。強気に戦うところは非常に大事だと思いますし、マリノスもここ最近は調子が上がってきているのは結果を見ても分かるので、上がってきているチームをしっかり叩いておくのは今後につながります。アウェーですが、きちんと勝ちたいと思います」

 ここに出てきた「強気」のフレーズは何度も出てくることになる。そこにはたくさんの意味が込められている。

「(JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝でヴィッセル神戸戦に6-0で勝って)要因は強気にアグレッシブに立ち上がりからいくというところを意思統一して、それを思い切り遂行したということに尽きると思います」

「結局は自分たちがどうしたいのかが大事だということを、ここ数試合で感じています。僕らの武器を前面に押し出す方が相手は嫌なんじゃないかと。それを強気という言葉で表していますけど、攻守において自分たちの武器を立ち上がりからどんどん出していきたい」

「後ろ(DFライン)がしっかり押し上げてコンパクトにしてあげないと、前の選手がボールを追う距離が長くなってしまいます。できるだけ押し上げることは意識していたし、そうやってDFラインも強気になれます」

「ボールホルダーに時間を与えないようにした方が、効率よく奪えて攻撃に転じられると思います。そこもまた強気という言葉でまとめられるか分かりませんけど、やられることを恐れるよりも、相手が嫌がる、脅威に感じるところからやりたいと思います」

 どうして強気にこだわるかと言えば、やはり第12節で名古屋グランパスに敗れ、続く第24節で神戸に引き分けた連戦の苦い思いからだ。自分たちの意志を押し通しきれなかったのではないか、というかすかなわだかまりが、迷いを断ち切るきっかけになった。

 9月5日、J1第14節の横浜FM戦は、悩みを吹っ切った川崎Fが、調子を上げてきたチャンピオンを封じ込めることができるか、今季を占う重要な試金石になるだろう。「個の強さ、スピードやパワーのある選手がたくさんいるので、そこはバトルしかないと思っています。次の試合も強気に戦うのは変わらずやっていきたいと思います」。もちろん谷口は、キックオフの瞬間から強気で戦うつもりだ。


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