JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝で川崎フロンターレがヴィッセル神戸を6-0という驚きのスコアで下して、ベスト4に進出した。この試合で途中出場の直後にゴールを決めたのが脇坂泰斗。そこには強い気持ちが宿っていた。

上写真=ゴールがほしいと念じ、本当に奪う。脇坂は川崎Fの強さの原動力だ(写真◎Getty Images)

自分のためにも点を取ってやろうと

 JリーグYBCルヴァンカップの準々決勝・ヴィッセル神戸戦で6-0という圧巻のゴールショーを見せた川崎フロンターレ。しかしこの試合、脇坂泰斗はベンチからのスタートになった。

 ここまでのリーグ戦は13試合で先発出場、カップ戦で3試合のうち2試合で先発、1試合に途中出場とほぼ出ずっぱりだったから、神戸戦の前の明治安田生命J1リーグ第13節・清水エスパルス戦は「お休み」でベンチ外。だが、この休養がハートに火をつけた。「清水戦でチームは波に乗れましたけど、自分は出ていなくて上から見ていてやる気が出ましたし、ずっと出ていたので(ベンチ外は)悔しい気持ちでした」。もちろん、コンディション面を考慮したローテーションだったからなのだが、負けず嫌いが顔を出す。神戸戦で4-0の状況の70分から登場したときには、「何が何でも結果を残そうと入った」と強い気持ちで飛び出していったのだった。

 そして、本当に結果を残すのだ。しかも、そのアクションが迫力満点だった。

 投入から2分後の72分、まずペナルティーエリア付近でGK飯倉大樹にプレッシャーをかけておいて、そこから左サイドのダンクレーにパスが出たところまで全速力で戻って追いついて、相手の攻撃を遅らせた。そのまま中央にボールを動かされたところで田中碧がイニエスタに食らいついてバックパスをさせると、これを狙っていた脇坂が山口蛍が触る前につついて持ち出し、そのままゴールへ一直線、ゴール右に流し込んだ。プレスからロングダッシュで戻り、また奪ってもう一度ロングダッシュでゴールに向かう、およそ70メートルを超えると思われるスプリントと連続性。圧巻だった。

 そして、雄叫び。

「まず得点の前にキーパーにプレスを掛けて、少し外されましたけどプレスバックしにいって2回3回と追うことで相手を制限して、(田中)碧もイニエスタに強く寄せていたのでリターンするなと思って狙っていました。あとはキーパーが出てくるタイミングを見て流し込みました。チームの狙い通りだし、自分の狙っていた通りです」

「何が何でも、チームのためにもそうですけど自分のためにも点を取ってやろうと強く思っていたので、その気持ちがプレーに乗ったゴールではないかと思います」

「僕自身、最近はゴールもアシストもなかったので、それも含めて点を取ってやろうと思ってました。清水戦でも出なかったということもあって、いろいろな思いがありました」

 だから、普段はクールなのに、柄にもなくゴールを決めて叫んだのだ。

 次はJ1第14節・横浜F・マリノスとのビッグマッチだ。昨季チャンピオンとの一戦は激戦必至。ともに自慢の攻撃力を思う存分ぶつけ合う90分になりそうだ。

「神戸戦のように自分たちから積極的に攻守にいきたい。そのメンタリティーでいきたいと思います」

「勝ちたいと思うので、強気でやっていくことが大事かなと。全員で声かけ合いながらやっていきたい」

 日産スタジアムで再び脇坂が吠えれば、勝利はグッと近づいてくるはずだ。


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