北海道コンサドーレ札幌のミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督が横浜F・マリノス戦を前にオンラインで取材に応じた。前回の対戦ではホームで3-1と快勝しているが、今回(今夜26日)は「激しい試合になる」と警戒する。いかにアグレッシブに戦えるかが勝負のポイントと語った。

上写真=選手に指示を出すミシャことペトロヴィッチ監督(写真◎J.LEAGUE)

やるか、やられるか

 ひと月前の前回対戦では、今季一番とも言える内容でJ1王者に快勝した。マンツーマンの守備で相手のパスワークを寸断。ボール奪取に成功するやショートカウンターを仕掛けて相手のゴールに襲い掛かった。

 ただし、リーグ戦ではその横浜F・マリノス戦以降の4試合で勝利を手にしていない。1分け3敗と苦しい戦いを強いられており、今回の対戦で再び勝利して、浮上のきっかけをつかみたいところ。

 だが、指揮官は横浜FMに勝利するのは、それほど簡単ではないと気を引き締めた。

「この間はホームで、良いゲームをして勝利することができました。ただ、これまでアウェーでのマリノスとの対戦では内容は悪くないものの、つまらない自分たちのミスで失点を重ね、勝てていません。それが過去の結果です。マリノスというチームは洗練されたパスサッカーを展開し、リスクを負って攻撃をするチームです。そういう相手なので、われわれもしっかりとアグレッシブな姿勢をもって戦わなければならないでしょう。
 マリノスとのゲームはオープンになるケースが多い。お互いのやりたいことをやり合う、表現するなら、お互いにナイフを持って刺し合うような、非常に激しい攻撃的な戦いになる。やるかやられるか、そういう戦いになるのがマリノス戦です。試合によっては相手が5点、6点取って勝利することもあるだろうし、反対に自分たちが5点、6点取って勝利するゲームもあるだろう。試合がどちらに転ぶか分からない、どちらも点を取り合う試合展開になる」

 実際、札幌は前回の対戦でリスクを負ってアグレッシブに戦った。マンツーマンの守備はピッチ上にいくつもできる1対1で劣勢になれば、たちまち崩壊する危険性を伴う。それでも札幌は果敢に挑み、そして勝ち切った。屋内の札幌ドームと異なり、消耗激しい酷暑の日産スタジアムで同様の戦いを演じるとは限らないが、『前向き』の守備から攻撃を仕掛けていくことを指揮官は明言した。なぜ『ゼロトップ』を採用しているのか、との質問に答える形で次のように語っている。

「分かりやすく説明しましょう。特別な選手である鈴木武蔵が、移籍しました。武蔵は特別なスピードを持った選手で、そのスピードを生かして前線で攻撃も守備もできた。武蔵がいれば、自陣に引いてブロックを作り、ボールを奪ってロングカウンターを狙うこともできたでしょう。ただ今、武蔵がいない。彼と同じようなスピードを持った選手もいません。そういう状況ですから、自分たちの戦い方に変化を付けていかないといけない。
 ですから、チームとして、より高い位置で相手のボールを奪っていく戦い方にシフトしなくてはならない。なぜ高い位置で奪うかと言えば、相手のゴールに近いからです。いま起用しているのは非常に運動量が多く、アグレッシブにプレッシャーをかけられる選手です。そして彼らはボールを奪ってから相手のゴールに迫ることができる。メンツが変わったのだから、狙いも変わっていく。できるだけボールを前で奪い、ショートカウンターを仕掛ける、それが今のチームとしての狙いです」

 前回対戦時も、まだ移籍前だったものの、鈴木は不在だった。アグレッシブな守備がハマれば勝機は十分にある。ポイントはショートカウンター。

「自分たちがいかに相手に対してアグレッシブに戦い続けるか。そして自分たちがいかに決定的なミスをしないか。それが重要なポイントになる。マリノスと札幌は、次元の違うチームです。例えばマリノスは天野純が海外から戻って来たり、柏からジュニオール・サントスがレンタルで入ったり、ポルトガルから前田大然が加入したり、積極的に補強を行なえる。われわれはなかなかそういうことができない。その中でも、今年入ってきた3人の大卒の選手をうまく育てながらトライし、内容と結果を求めていく。クラブ規模は違っても、われわれはオープンな戦いを勇気を持ってしたいと思う」

 その勇気が、5試合ぶりの勝利を導くか。

「最後まで勝利を目指して全力で戦う。勝利がどちらに転ぶか分からない、それぐらいスリリングなゲームになると思っています」

 1カ月前の再現なるか。横浜FM戦は今夜19時半にキックオフされる。


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