FC東京の長谷川健太監督は14日、オンラインで取材に応じ、移籍が決まった室屋成について、そして翌日の名古屋グランパス戦についてコメントした。相次ぐ主力の流出に対しては若手の成長を促して乗り越えていくと語った。

上写真=名古屋戦にむけたトレーニング。選手を指導する長谷川監督(写真◎FC東京)

最初に聞いた時は「マジか!?」と驚いた

 橋本拳人がロシアのロストフに移籍し、室屋成のドイツ・ハノーファーへの移籍も決まった。シーズン途中に日本代表に名を連ねる主力が相次いでいなくなるという状況は当然、チームにとって大きな痛手だ。しかも今シーズンは類を見ない超過密日程であり、なおさら選手層の確保が重要となっている。タイトルを目指すFC東京は、難しい戦いを強いられることになった。

 前節、セレッソ大阪と引き分けたとはいえ、直近4試合は勝利なし。指揮官は主力の流失の影響が決して小さくないことを素直に認めた。

「(補強の難しさは感じる?)感じています。シーズンは非常にタイトなスケジュールで進んでいくので、補強するにしても簡単ではない。(獲得選手が)そんなにすぐにフィットするわけではないですし、ましてや移籍したのが日本代表の2人ですから、それに代わる選手を獲るのは至難の業でしょう」

「(FC東京は)非常に有望な若手がたくさんいるチームですので、彼らをしっかり鍛えて、経験豊富なスタッフもいますから、若い選手にいい刺激を与えて、短時間で結果を出せるようにサポートはしていきたいなと思います」

 補強で二人の主力が抜けた穴を埋めるのは難しい。現実的には現有戦力、とくに若い選手たちの台頭を促すのがベストな選択との判断だ。実際、安部柊斗や中村帆高らはすでに試合数を重ねてその力を示しているが、その成長速度を、今後はさらに上げる必要があるだろう。

 長谷川監督は、旅立つ室屋、一足先に旅立った橋本にあらためてエールを送った。

「決まったからには頑張ってほしい。もちろん話を聞いたときには『マジか!? この時期に!?』という思いでした。室屋の移籍の話はセレッソ大阪の試合が終わって、帰京途中に聞かされました。寝耳に水じゃないですけど、びっくりはしました。ただ、室屋に関して、拳人もそうですけど、非常に海外志向が強い選手だったので、そういう意味では彼らの夢が叶った。これからだと思いますし、頑張ってほしいと思います」

 室屋のラストマッチは明日、15日の名古屋戦。相手は1試合消化が少ないながらも4位につける好調なチームだ。

「今シーズン、素晴らしい成績を残しているチームですし、自信を持って戦っているという印象があります。明日のゲームも難しい試合になると思います。(FC東京は)先制される試合がずっと続いていて、ここ9試合、先制した試合が2試合しかない。先制された試合が6試合、スコアレスが1試合という結果。名古屋は非常に守備が堅いチームですが、何とかホームで、先制する展開に持っていきたい」

 フィッカデンティ監督をはじめ、丸山祐市、太田宏介ら相手には元FC東京の選手も多い。特徴を知られていると考えると難しい相手とも言えるが、狙い通り首尾よくゴールを陥れて勝利を飾り、旅立つ室屋のはなむけとしたいところ。真夏の味スタで実現する名古屋戦。注目だ。


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