独特な今シーズンのスケジュールにおいて、大きな山場となりそうな8月の連戦が始まった。各チームともコンディション調整との戦いを強いられるが、柏レイソルのネルシーニョ監督は「不変」をテーマに対応策を語っている。

上写真=ネルシーニョ監督が絶妙な選手起用で競争をもたらし、リーグ4連勝中(写真◎Getty Images)

「選手たちが献身的に取り組み続けた」

 柏レイソルの8月は7連戦+1試合というスケジュール。週末のJリーグの他に週中にルヴァンカップのグループステージ2試合とリーグ戦1試合が挟まり、最後は1週空いてリーグ戦。真夏の8試合は新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みの他に暑熱対策も加わって、監督のゲームマネジメント、クラブのバックアップ体制がピッチの上に大きな影響を及ぼしそうだ。

 外から見ればそんな心配だらけの8月だが、さすが、古希を迎えたネルシーニョ監督は泰然自若だ。

 感染症については「プライベートな時間では、密を避けるようにしながら健康的な生活を心がけているので怖さはありません。しっかりと現場でサポートしてくれているので、取り組みに対していままで以上にしっかり注意と警戒心を持ってやっていく必要がある」としていて、チームマネジメントも「今季を戦い抜く上で、みんなで一丸となって総力戦となる姿勢は変わりません」と、不変の重要性を説いている。

 根底にあるのは、「解決策は自分たちの中にしかない」という思想だ。リーグ戦で4連勝して順位も12位→7位→7位→4位と急上昇している中でも、「いつも通り」を貫くのだ。

「これまでもそうですが、負けたときも勝ったときも変わらず、いいときも悪いときも継続してトレーニングを積んできました。目標・目的は常に次の試合に置いていて、そこに向けてしっかりと準備する姿勢は変わりません。再開後は3連敗しましたが、いきなり連勝できるとは思っていませんでした。ここに来て、選手たちが献身的に取り組み続けた結果、成績を残すことができています。結果が出ていないときも選手たちが次へ準備してきたのです。解決策はチームの中にしかありません。その取り組みはこれからも続けていきたいと思います」

 言うのは簡単で実行するのは難しいのがこの最もシンプルな行動規範なのだが、だからこそ真摯に実行している選手たちを称えるのだった。

 もちろんそれは、ネルシーニョ監督の存在があってこそだ。戸嶋祥郎も「練習中に監督の視線は感じます。いい意味で手を抜けないというか、スキがないというか、ピリピリ感はすごく出ています。選手起用について、その週でいいプレーをすれば使ってくれるイメージがあるので、1回1回の練習で100パーセントを出さなければいけないし、出せれば試合に出られるといういい循環になっています。フラットでいい競争ができていると思います」と、正しい競争に背中を押されているという。

 ルヴァンカップを「チームとしても底上げを図るために重要な公式戦であるという位置づけ」として、リーグ戦の次節、横浜F・マリノス戦も「相手はバランス取れた質の高いチーム。アウェーでビッグクラブと戦うので、白熱した試合になるだろう」「戦術的にも似ているところがあるし、いい試合になるだろう。チームとしてもそうだが、選手個々の戦いにもなってくるのではないか」とグッドゲームへの予感を隠さない。

 オルンガ旋風や、J2で活躍して加わった新戦力が躍動していることが話題になっているが、その礎にはやはり、うやうやしく玉座に鎮座する、このネルシーニョという歴戦の名将の存在があるのだということがよく分かる。


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