サンフレッチェ広島のナンバー10、森島司が横浜FC戦で勇躍した。チームバランスを保った中で自由に動き、前線を活性化。チームが求めてきた形を体現して値千金の先制ゴールも決め、勝利の立役者となった。

上写真=先制ゴールを決めた森島が喜びを噛みしめる!(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月1日 J1リーグ第8節(@ニッパ球/観衆2,528人)
横浜FC 0-2 広島
得点:(広)森島司、ドウグラス・ヴィエイラ

獅子奮迅の74分間

 ドウグラス・ヴィエイラが務める1トップの背後で、森島は東俊希とともに2シャドーを形成した。担当するのは、右。だだし、攻撃になれば、持ち場を頻繁に離れて前線を自由に動き回った。もちろん、独善的に振る舞うわけではない。状況とタイミングを見て、局面局面でプレーを選択している。

 先制ゴールも、そんな森島の動きとチームの意図が重なって生まれた。左のシャドーが下がってきてボランチの青山敏弘とライン際でパスを交換。「左で作っていた」ので森島はスルスルとポジションを左に移していった。そして、前方にスペースを見つける。

 相手のCB田代真一が、東の動きに対応するために持ち場を離れ、つり出される格好になっていた。つまり、広島側からすれば、田代の背後のスペースが空いた。刹那、森島はそのスペースに入り込み、ボールを呼び込む。

 東が見逃さずに浮き球パスを送ると、森島は佐藤謙介と入れ替わるようにボールをコントロールし、GK南雄太の届かない逆サイドへと蹴り込んだ。

「左サイドで作っていて、(スペースが)空いているなと思って行ったら(東)俊希からいいボールが来て。付いてきていたのは中盤の選手(佐藤謙介)だったので、うまく入れ替われるな、と思いました」

 値千金の先制ゴールについては城福浩監督も「(敗れた)ここ2試合の反省として自分たちがもっと前線でモビリティーを出したかった。その一つのキーがコンビネーションの動き。きょうはその成功体験を得られた」と称賛。「相手を押し込めたというのがまずあって、その押し込んだ状態から前線の流動性を出すというのは今週やってきたところ」と、森島自身も「チームの狙いを形にできた」ことに満足感を示した。

 このゴールは取り組んできたことを体現し、連敗中のチームに自信を取り戻させるという意味でも大きかった。以降、広島の選手たちはアグレッシブにプレーし続け、CKの流れから2点目も記録。アシストこそ付かないが、このCKのキッカーを務めたのも森島だった。

 ここ数試合は得点に絡めていなかったものの、この日は74分に交代するまで、獅子奮迅の活躍を披露。広島のナンバー10の力を証明するプレーぶりだった。

取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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