オルンガが自身初となるJ1でのハットトリックを決めてみせた。明治安田生命J1リーグ第7節のベガルタ仙台戦。40分、58分、73分と立て続けにネットを揺らしたが、「もっともっと」と先を見据えるのだった。

上写真=最高のパスをくれた江坂任の背中に乗って大喜び(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月26日 J1リーグ第7節(@三協F柏:観衆2,500人)
柏 5-1 仙台
得点:(柏)仲間隼斗、オルンガ3、瀬川祐輔
   (仙)西村拓真

ヘッド、右足、左足の「コンプリート」

「パーフェクトなハットトリックでした。すべての要素があって決めることができました」

 柏レイソルが誇る「ゴールモンスター」のJ1で初めてのハットトリックは、ベガルタ仙台を相手に決めた。ヘッドで一発、右足で狙いすまし、左足で流し込む「コンプリート」だ。

「Of course, good feeling!」と素直に喜びを表現したかと思えば、「ハットトリックはできたけれど、もう1点決めるべきだった」と反省も忘れない。PKを止められてしまったことが心残りなのだ。

 とはいえ、3ゴールはどれも素晴らしかった。まずは40分。ゴールラインぎりぎりに飛んでいったボールをあきらめずに追いかけた瀬川祐輔のクロスを、ヘッドで確実にゴールに送り込んだ。1-0でリードしながら神谷優太が負傷交代。その代わりに入った瀬川の頑張りを形にしたという意味も含めて、嫌なムードを断ち切るには十分だった。

 続けて、58分。相手センターバックのギャップを巧みに突いて左にダッシュすると、その動きを見ていた江坂任から絶妙のスルーパス、DFに詰め寄られるが切り返して股を抜き、角度がなかったものの右足でGKの足先を抜くスピードボールでゴール右に差し込んでみせた。2-1とされて仙台の追撃をかわしたかったタイミングだっただけに、勝利にぐっと近づく2点目だった。

 そして仕上げは、鮮やかなパス交換から。右サイドへのロングパスから瀬川が後ろに戻し、仲間隼斗がさらに中央へ。真正面で受けた三原雅俊がシュート…と思った瞬間に、ど真ん中に短いスルーパスを送り、オルンガが左足で冷静に流し込んだ。

「FWというのはやはり、相手DFにとって脅威にならないといけません。今回の3ゴールはどれもパターンが違いますが、意識して背後に動くプレーが相手にとって嫌だったのではないかと思います。まだまだ理想とまでは言えませんが、徐々に調子を上げながらまたハットトリックを決めたいですね」

 これで3試合連続ゴールにもなるので上機嫌なのはもちろんだが、チーム全体の好調ぶりに後押しされている実感があるからでもある。

「再開して3連敗となって、もっとハードワークしなければいけないということが分かりました。選手全体でコンディションが上がってきているから、結果に反映されていると思います。同じ目標に向かって頑張っているから、統一感が出ていると思います」

 守備でも攻撃でも完全に仙台を翻弄したチームワークを見ていると、「まだ完璧ではないが、もっともっと上を目指していきたい。いまの流れに乗ってもっとハットトリックを決めたいし、もっとチームに貢献したい」というオルンガの言葉は、すぐにでも現実になるのではないかと思わせるのだった。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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