7月26日のJ1リーグ第7節、名古屋グランパス戦が中止となったことを受けて、サンフレッチェ広島は16時から試合会場で練習を実施。城福浩監督は残念がる一方、今後の連戦への覚悟を口にしている。

上写真=18時から名古屋戦が行なわれるはずだったエディオンスタジアム広島。練習で実戦形式のメニューなどを消化したが、もちろんスタンドは無人(写真◎石倉利英)

「絶対にやりたいという思いだった」

 7月26日18時からエディオンスタジアム広島で開催されるはずだったJ1リーグ第7節、サンフレッチェ広島対名古屋グランパスは、キックオフまで7時間を切った11時過ぎに中止が発表された。名古屋は24日に新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けていたDF宮原和也に加え、26日にMF渡邉柊斗とトップチームスタッフの感染が明らかになり、Jリーグなど関係各所との協議の末に同日の開催が見送られている。

 これを受けて広島は、試合会場のエディオンスタジアム広島で通常練習を実施した。16時過ぎに選手たちがピッチに姿を現すと、ほどなくスタジアムはゲリラ豪雨のような激しい雨に。先行き不透明な状況を象徴するかのような荒天は断続的に続いたが、それでもチームは1時間強に渡り、9対9のミニゲームなどのメニューを消化した。

 練習後に取材に応じた城福浩監督は「最近の勝ち点が取れていない状況で(第3節から前節までの4試合は1分け3敗)、コンディション的にもメンタル的にも、この試合に懸けてきた、準備してきた思いがあるので、本当に残念。ファンの方が入ってくださって、その方たちの前で勝ち点3を喜び合うことだけをイメージしてやってきたので」と無念の思いを語った。中止の可能性があることは25日から分かっていたと説明しつつ、「我々にできることは、ベストの準備をするのみ。100パーセント(試合を)やる、絶対にやりたいという思いだったので、それがかなわなかったのは残念」と繰り返している。

 選手たちには、午前中にチーム関係者から中止が伝えられたという。DF荒木隼人は「中止と聞いたときは残念でしたが、誰が濃厚接触者か分からない状況では、仕方ない判断だと思う」と語った。宮原とは広島ジュニアユース時代からの同期であるMF川辺駿は「和也が感染したことは知っていて、(試合をする)準備はしていましたが、こうなってもおかしくない状況だった。決まったことなので仕方ない」と中止決定に理解を示した上で、宮原本人に連絡して「大丈夫だと言っていた」と明かしている。さらに「今回、休めたことが次節の横浜FC戦以降、重要になってくる」と、3連戦が2連戦で終わったことを前向きに捉えた。

 ただ、中止になった試合が今後どこかに組み込まれれば、ただでさえ過密な日程が過酷さを増すことになる。城福監督は中止決定後、選手たちに話す際に「今日の試合は必ずどこかでやるので、たとえば7連戦が13連戦になる」と、代替日程次第で連戦が伸びる可能性について触れ、「他のチームが休めるときに試合をやる状況が、必ずどこかで出てくる。これは我々にとってプラスではないが、受け入れてやるしかない」と伝えたという。

 その上で「今日、試合をやらないで次の試合に向けて進めるのは我々しかない。いまやれることは、きょう試合をやらなかったことを、いかにプラスにできるか。自分たちが集中すべきはそこだ、と話した」とコメント。それを受けてのスタジアムでの練習を「今日への懸ける思いがあったので、集中したトレーニングをするのは難しいかなと思っていましたが、本当によくやってくれた」と選手たちの取り組みを称賛した。

現地取材・写真◎石倉利英


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