リーグ再開後、3連敗と苦しい戦いが続いていた柏レイソルは18日、湘南ベルマーレをホームに迎えた試合で3-2の勝利を収めた。決勝点を挙げたのは、アカデミー出身で10年ぶりに古巣に帰ってきた仲間隼斗だった。

上写真=初先発を果たし、勝利に大きく貢献した仲間(写真◎Getty Images)

■2020年7月18日 J1リーグ第5節(@三協F柏:観衆2,645人)
柏 3-2 湘南
得点:(柏)オルンガ2、仲間隼人
   (湘)松田天馬、石原直樹

自分がまずプレーでやろうと

「公式戦になると、自分の中では戦いというイメージがあって、球際だったり、セカンドボールだったり、1対1で負けないとか、そういう部分をもっともっと出せたらチームがよくなると思っていた」 

 3連敗中のチームに何が必要か。そのことを考えて仲間は初先発の舞台に上がったという。だから「自分がまずプレーでやろうとは思っていました」。

 仲間は左サイドハーフとして先発すると、激しいボールの争奪戦を演じ、終始一貫、走り続けた。守備から攻撃に転じる際には一気にピッチを駆けて、ボールを失えば自陣に素早く舞い戻る。その愚直なプレーが攻守両面で効いていた。

 前半終了間際には最終ラインからのロングボールを呼び込み、縦を力強く突く。石原広教と競り合いながらエリア内に進入。さらに鋭い切り返しで抜き去りにかかり、ファウルを誘ってPKを獲得した。このPKは先制点に続きオルンガが決めたが、70分には自らゴールを記録する。

 エリア右の神谷からの浮き球パスを胸トラップで処理すると、すぐさま右足を振り抜き、ネットを揺らした。見逃せないのは、しっかりゴール前に走っていたことだ。

「自分は前めの選手。逆サイドにボールがあるときでも必ずゴール前に入っていくというのは、練習中からネルシーニョさんにずっと言われていることです。それをうまく体現てきたと思います」

 柏のアカデミー育ちながら、高校卒業後は熊本に入団。その後は讃岐、岡山と渡り歩いた。そして今季、10年ぶりに『古巣』柏に復帰。憧れの舞台だった日立台でのデビューは先日のFC東京戦で経験済みだが、得点は今回が初。ゴール後の大きなガッツポーズには、そんな思いも見て取れた。

「ゴールはもちろん狙っていましたけど、勝利のために、守備も攻撃も走ろうと思っていました。その結果がゴールにつながったので、日立台だったしなおさら、うれしすぎました」

 後半、湘南の猛攻を受け2失点したため、結果的に仲間が挙げたゴールが決勝点になった。戦う姿勢で、走力で、自らの得点で勝利に貢献した。

「(制限があり)人数は少ないですけど、日立台で観客がいる中でプレーできるのはものすごいことだと今日で気づけました。すごく楽しかったですし、その上で勝利を飾れたのは、うれしかった。今後も続けていきたいと思っています」

 仲間は今後も愚直なプレーでチームメイトを鼓舞し、サポーターを熱くし、そして勝利を呼び込む。

現地取材◎佐藤景 写真◎J.LEAGUE


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