鹿島アントラーズ、FC東京という難敵を下して再開後2連勝。川崎フロンターレが強い。就任4年目の鬼木達監督が丁寧に携える選手との「共有」の意識が、その礎になっているようだ。このまま超連戦のJ1を抜け出すのか。

上写真=鬼木監督が選手と意識を共有して、はるかな高みを目指す(写真◎小山真司)

「攻撃し続けたい」

 パーフェクトゲーム。川崎フロンターレがFC東京を4-0で一蹴したゲームは、いろいろな意味で完璧に近かっただろう。

 右から左から中央から。どのエリアからでも自在に攻めて崩して前半だけで見舞った4つのファインゴール。レアンドロ・ダミアンが本領を発揮して1得点3アシストすれば、長谷川竜也が2得点、新加入の右サイドバック、山根視来が鮮やかな攻撃参加から2点をお膳立てするなど、何人もが主体的に関与したゴールラッシュは見事だった。

 そこには、鬼木達監督のPDCAサイクルが絶妙な効果をもたらしている。

 Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)という古くからの品質管理方法の一つだが、これを第2節の鹿島アントラーズ戦から第3節のFC東京戦までの川崎Fに当てはめて、鬼木監督の言葉で振り返ると、こうなる(コメントは抜粋)。

〈Plan→Do〉
「鹿島戦からの修正として、一つはコントロールするところでした。(FC東京戦では)自分たちのストロングを再確認してゲームに入って、それをいい形で表現してくれました。鹿島戦の終わり方が、僕自身、最後を締めて終わるという形をとりましたが、本来は攻撃し続けたいので」

〈Check〉
「4点をこちらが取っていて後半に相手が力を出してくるので、その時間でもっとボールを持って自分たちの形に持っていかなければいけません。交代選手が何人も入ってきて相手がパワーを持ったときに、混乱しないように自分たちの形に持っていくのは、どのチームが相手でもそうですが、課題として持っていきたいと思います」

「(4-3-3という新システムは)フォーメーションのところと、プラス、人のところなので、個性をどれだけ出せるかが大事になってきます。(FC東京戦は)いろんな選手の良さが出たのではないかなと思っています」

「4-3-3という言葉に囚われすぎずに臨機応変にやろう、と話していて、そこをうまく表現してくれました」

 そして、Actionは次の試合に向けたトレーニングということになるが、長いスパンで見れば、鬼木監督がこのチームに求める理想形の追求もそれに当たる。

「目指しているところに向けては、3試合なのでまだまだですが、選手と自分が改善するところ、もっとやれるところは共有できています。どんどん改善と共有をしていきたい」

 そして、次なるサイクルへ。次節の相手は柏レイソルだ。再開後、連敗しているが、だからこそ猛然と勝ち点を奪いに来るだろう。警戒心は余計に強まる。

「(ネルシーニョ監督は)経験のある方で、プラス、勝負にこだわるところが現れている監督で、そういうマインドを持ったチームを作っています。勝負というところ、球際やゴール前のところで自分たちが上回らないとゴールを割れないし、ゴールを許してしまいます。走り勝つこと、球際に勝つことにこちらもこだわっていきたいと思います」

 ネルシーニョ監督も名だたる戦略家である。その挑戦を真っ向から受けて、攻め抜くつもりだ。それが川崎フロンターレだから。


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