開幕から3戦負けなしの浦和レッズは9日、12日の4節鹿島アントラーズ戦に向けて、トレーニングを行った。前日にクラブ通算100ゴールをマークした興梠慎三はクラブスタッフからプレゼントされた特別ユニホームに袖を通し、上機嫌で汗を流していた。

上写真=リラックスした表情を見せる興梠(写真◎杉園昌之)

背中を向けてパフォーマンス

 ベガルタ仙台の勝利から一夜明けた午前11時前。浦和レッズの選手たちがクラブハウスからぽつぽつと姿を見せ、練習場に出てきた。全員がそろったところで円陣。大槻毅監督が少し話をすると、しばらくしてゆっくりジョギングを開始。よく見ると、練習着に交じり、一人だけユニフォーム姿の男がいる。どうも様子がおかしい。リラックスした選手たちには笑顔が広がり、槙野智章の声が聞こえてきた。

「メディアタイム、メディアタイム」

 練習場の脇にズラリと並んだ報道陣が、一斉にカメラを構える。列から外れて走ってきたのは興梠慎三である。くるりと背中を向けると、100ゴールにちなんで背番号100が見える。カニ走りでシャツをぴんと引っ張るパフォーマンスまで披露。試合ではお見かけしないポーズである。前日の仙台戦後はクラブ記録について聞かれても、「チームの勝利が一番」とさほど興味を示さなかったものの、この日は上機嫌でサービス。

 それもそのはず。クラブスタッフから特別にプレゼントされたユニホームだという。背番号100の下には「SHINZO」の文字が記されていた。仲間から親しみを込めた粋なはからい。ゴール前では味方の位置が良ければ、迷わずパスを出す点取り屋である。フォア・ザ・チームを貫くストライカーにとっては、何よりもうれしかったのかもしれない。

 クラブ通算は断トツ1位の100ゴールを達成。J1通算でも歴代6位の149ゴールとなり、節目の大台まで残り「1」とした。次節は再開後初の有観客で、ホームに古巣の鹿島アントラーズを迎える。舞台はすべて整っている。浦和のエースが、熱狂的なファン・サポーターの期待に応えないわけがない。

取材・写真◎杉園昌之


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