7月8日の明治安田生命J1リーグ第3節で、大分トリニータはサンフレッチェ広島に逆転勝利を収めた。口火を切ったのは85分、FW髙澤優也の同点ゴール。J1デビュー2分後に結果を出し、貴重な働きで勝利に貢献した。

上写真=85分に同点ゴールを決めた髙澤(31番)は、すぐにボールを拾い上げてセンターサークルへと走った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月8日 J1リーグ第3節(@Eスタ)
広島 1-2 大分
得点:(広)レアンドロ・ペレイラ
    (大)髙澤優也、三平和司

「ちょっと怖かった」

 0-1とリードされた状況で83分に交代出場してから、わずか2分後。DF三竿雄斗が左サイドからエリア内に送ったロングフィードに反応したFW髙澤優也は、懸命に走りながら「キーパーが(前に出るのが)遅れているのが横目で見えた」という。広島GK大迫敬介の飛び出しは少し遅れており、背走する広島DF荒木隼人との連係に乱れが生じていた。
 
 髙澤も途中から半身の体勢で走りながらボールだけを見ており、背後から大迫が迫っていることが「ちょっと怖かった」と語る。それでも「点が取りたかったので、触った」というバックヘッドで大迫よりも先にボールに触り、無人のゴールへ流し込む。リーグ戦で開幕2試合、ルヴァンカップも含めると公式戦3試合無失点だった広島のゴールを、今季初めて破った。
 
 流通経済大からザスパクサツ群馬に加入したプロ1年目の昨季、J3リーグ得点ランク2位となる17得点を挙げた活躍が評価され、完全移籍で大分に加入。第2節までは控えにも入っておらず、これがJ1デビュー戦だった。後半アディショナルタイムにFW三平和司が2点目を決め、逆転勝ちにつながる貴重な働きを、髙澤はシンプルに「うれしいです」と喜んだ。

 出場する際、片野坂知宏監督から「『クロスに合わせて中に入れ』と言われていた」と明かす。86分にDF岩田智輝の右からのセンタリングを右足ボレーで合わせたが、大迫にセーブされた決定機を「あれを決められればよかった」と振り返ったものの、その直前の同点ゴールは「狙いどおりと言えば、狙いどおり」。泥臭くゴールを狙った執念が、J1初ゴールとなって結実した。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


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