川崎フロンターレの家長昭博が4日、J1リーグ再開試合で通算300試合出場を達成した。そんな記念試合で2アシストを記録してチームの勝利に貢献。本人はJリーグ再開日の節目の試合として、記憶に残ると話した。

上写真=右ウイングで先発し、攻守にわたって存在感を示した家長(写真◎小山真司)

■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@等々力)
川崎F 2-1 鹿島
得点:(川)谷口彰悟、長谷川竜也
   (鹿)OG

指揮官も全幅の信頼を寄せる男

 ピッチ上で別格の雰囲気を醸し出していた。実際、2アシスト。2-1で鹿島を破った川崎Fの勝利の立役者と言っていい。家長昭博のことだ。

 1点目は左のCKの流れから。左サイドでボールを持つと、ボックス内に浮き球パス。鹿島守備陣の虚を突くような絶妙なパスに、走り込んだ谷口彰悟は右足を合わせるだけでよかった。

 2点目のアシストは高い技術の裏打ちされたシロモノだ。右サイドでボールを持つと、ボックス内で待つ長谷川竜也にドンピシャで届くクロスを送った。この正確なクロスを嘆いたのが、鹿島の内田篤人。「なんで被っちゃったかな。ボールが伸びたんだよ、家長さーん…」。長谷川のが眼前で内田はクロスをクリアせんとジャンプしたが、ボールは無情にも内田の頭をかすめるように通過し、長谷川のもとへ。家長の技巧がチームに2点目をもたらした。

 3トップの右に入り、攻撃では幅を取る動きと相手のディフェンスラインを下げるようにプレーを繰り返し、守備では同サイドでタンデムを組む右サイドバックの山根視来と協力して右サイドにフタをした。

 この日、Jリーグ通算300試合目の出場となった家長に対しては指揮官の鬼木達監督も全幅の信頼を寄せる。「彼はチームの中心ですし、今日も相手にとって脅威でした。でも一番は、日々のトレーニングで背中で見せるというか、そこを信頼しています。そういう選手がこういう再開の試合で結果を出すというのは、日々の努力があるから」。

 スペインや韓国でプレーしていた時期もあるが、2004年にデビューして、16年でJリーグ通算300試合出場という偉業を成し遂げた。
「300試合の記念の試合が、初めて経験する無観客での試合で、色んなことを思いました。積み重ねてきたこともそうですけど、300試合目を、こういうJリーグの状況でやったということは記憶に残ると思います」

 4カ月ぶりの公式戦でコンディション面の不安もあったと本人は話したが、きっちり2アシストで勝利に貢献。「初めの試合としてはよかったと思いますし、これから前向きに頑張っていけるようなプレーだった」と本人も振り返った。

 むろん、300試合は通過点だ。しかも本人は「前向き」。この日の存在感やチームへの影響力、何より結果も残すプレーぶりを見る限り、その数はまだまだ増えていくだろう。

取材◎佐藤 景 写真◎小山真司


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