1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第16回は、川崎フロンターレで長く愛されたジュニーニョを取り上げる。

上写真=川崎Fで9年間プレー、圧巻のスピードで等々力を沸かせたジュニーニョ(写真◎J.LEAGUE)

J2得点王で昇格に貢献

 2000年のJ1リーグで最下位に終わり、1年でJ2リーグに逆戻りした川崎フロンターレは、その後2年間はJ1再昇格を果たせなかった。そんな中で03年、ブラジルのパルメイラスから期限付き移籍で加入したのがFWジュニーニョだ。

 この年の川崎Fの外国人選手は、鹿島アントラーズから移籍してきたMFアウグストや、大宮アルディージャから加入したFWバルデスなどに注目が集まっていたが、ジュニーニョはすぐに日本のサッカーになじんで活躍。チームは三たびJ1昇格を逃したものの、ジュニーニョはJ2リーグで得点ランク2位となる28得点を挙げた。

 04年、関塚隆監督が就任した川崎Fは開幕からJ2の首位を独走し、完全移籍に切り替わって残留したジュニーニョも得点を量産した。最終的に44試合中39試合に出場し、37得点を挙げる大爆発でJ2得点王に輝く。川崎Fは2位の大宮に勝ち点18差をつける独走でJ2優勝を達成し、J1復帰を果たした。

 最大の武器はスピード。マークしていた相手DFが「予備動作がないので予測しづらい」と証言したことがあるように、一瞬の加速でスペースに抜け出してパスを受けたり、滑らかなドリブルでボールを運んでゴールに迫った。身長174センチと大柄ではないが、正確なトラップでボールを奪われず、難しいパスでもしっかり収めてチャンスにつなげた。

 J1でもコンスタントに活躍し、05年はJ1で31試合出場・16得点、06年は29試合出場・20得点。昇格1年目の05年にJ1で8位、06年は優勝争いを繰り広げた末に2位となるなど躍進を遂げたチームにあって、ジュニーニョの得点力は欠かせないものとなっていた。


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