4月1日に開催されたJリーグの第4回の臨時実行委員会では、競技の公平性に関しても意見交換がなされた。決定事項はないながらも、2020年シーズンの方針や今後の見通しについて確認されている。

上写真=公平性をいかに保つか。前例のない事態の中で模索が続いている(写真◎J.LEAGUE)

すでに完全な公平性を保つのは難しい

 この日の臨時実行委員会では、競技の公平性や順位の決定方法などについても議論された。具体的には、理念強化配分金、2020年の順位決定方法、2021年の昇降格に関するものだった。

 まず、理念強化配分金に関して。競技の公平性に関するプロジェクトリーダー・窪田慎二氏は「ある程度の不公平を飲み込みながらも進んでいくシーズンになる前提の中で、100パーセントに支払うことがいいのかどうかという観点から議論した」と説明。リーグやクラブの全体的な財務インパクトがどれくらいなのかを精査し、勘案しながら、今後もこの件については継続して議論していくとした。

 次に、2020年シーズンの順位の決定方法に関してはリーグ側から「できるだけ分かりやすいシンプルなルールを設定したい」という方針を示している。その上で「試合数にばらつきが出ることも想定し、その際に何らかの是正をするのか、あるいは何かの優先順位をつけるのか。勝ち点なのか勝率なのか。勝率になるとかなり複雑な計算を伴うため、分かりにくいものになる。大会が終了時点で結論が出るというリスクもある」と窪田氏は説明した。今後も引き続き、「(委員会で出た)勝ち点で順位を決める中で、何らかの是正措置をとるという意見を踏まえ、可能な限り納得感のあるリール設定をしていく」としている。

 3つ目の議題、2021年シーズンの昇降格については、現在所属するカテゴリーにおいて、当然ながら「実行委員の間でも考え方に違いがあった」。今季は昇格あり、降格なしで昇格プレーオフを実施しないことが決定している。すなわち、J1に関して言えば来季は20チームが所属することになるが、そこから4チームをJ2に降格させることになるのか否か。そのうち入れ替え戦(昇格プレーオフ)に回るチームは何チームなのかなどについて、具体的な決定事項はまだない。この日は今後も意見交換を続け、議論を尽くした上でフォーマットを決定することが確認された。

 選手や関係者に感染者が出て、活動中止を余儀なくされているクラブもあり、すでに完全な形で公平性を保つことが難しい状況だ。予定通り4月末から段階的なリーグ再開ができても、新型コロナウイルスの感染拡大がその時点で収束しているとは考えにくい。前例のない事態に直面する中で、Jリーグは今、可能な限りチームやファン・サポーターが納得できる形を模索している。


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