明治安田生命J1リーグの開幕戦が2月21日、BMWスタジアム平塚で行なわれ、浦和レッズが湘南ベルマーレに3-2で競り勝った。2-2で迎えた85分、関根貴大がカットインから値千金の決勝ゴールをマークした。

上写真=仲間の祝福を受ける関根貴大(写真中央/J.LEAGUE)

■2020年2月21日 J1リーグ第1節
 湘南 2-3 浦和
 得点:(湘)石原直樹、山田直輝 (浦)興梠慎三、レオナルド、関根貴大

簡単には足を出してこない

 関根は今季からJ1リーグに導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を頭に入れ、巧みな駆け引きをしていた。

 2-2で迎えた85分、マルティノスからの左クロスを右サイドで受けると、ペナルティーエリア内に鋭くカットイン。相手DFのプレッシャーを感じながらも、簡単に足を出してこないことを見越していた。

「VARがありますからね。思った以上に相手も食いついてきませんでした。あのときは前にスペースがあり、これは仕掛けられるなと思って、ドリブルで中に入りました」

 わずかなスキを見逃さなかった。すかさず左足を振り抜き、ゴール左隅へ流し込む。ゴールは「気持ちで押し込んだ」と振り返ったが、技ありの一発だった。チームを救う勝ち越し点となり、試合後も満面の笑みを浮かべた。

「勝利を届けることができてよかったです」

 2月16日のルヴァンカップ開幕戦ではアシストをマークし、勝利に貢献したが、自身の物足りなさも口にしていた。「ゴールがほしかったので」。今季はどこまでもどん欲なのだ。役割は得点だけではないが、二桁ゴールを目標に掲げ、結果を残すことにこだわっている。

 挫折を味わったヨーロッパから戻り、浦和に復帰して2年目。昨季は自身のパフォーマンスに満足できず、悔しさばかりのが残った。それだけに新シーズンに懸ける思いは強い。

 ポジションも新たに変わった。4-4-2の右サイドハーフ。持ち味のドリブルも存分に生かせるようになった。サイドをえぐってセンタリングも上げれば、中に切れ込んでシュートも放つ。

「チームとしての課題はあり、修正しないといけない」と反省も忘れなかったが、関根の表情には充実感がにじんでいた。

 今季こそは、欧州で進化した姿を存分に発揮してくれるはずだ。

取材◎杉園昌之


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