サンフレッチェ広島ユースから昇格したFW鮎川峻が、厳しいポジション争いの中で懸命のプレーを続けている。昨季途中にプロ契約を結んだアタッカーは、持ち味を発揮してチャンスを勝ち取ろうと必死だ。

上写真=公式戦デビューを目指して練習に励む鮎川(写真◎石倉利英)

「自分の長所を出せている」

 2月20日のサンフレッチェ広島の練習は、多くの時間が紅白戦に費やされた。16日のルヴァンカップ・グループステージ第1戦、横浜FCに2-0で勝った試合に出場しなかったメンバーが好プレーを見せたが、FW鮎川峻も持ち味を発揮した一人。右からのセンタリングをGKがはじいたこぼれ球に鋭く詰めて、1得点を挙げた。
 
 この日の紅白戦ではピッチ外から見ている時間が長く、プレー時間は長くなかったが、その中で結果を出した。「与えられた時間の中で、いかにアピールするかが、いまの自分にとって大事なこと。今日は点を取れてよかった」。FWに求められる結果を残し、安堵の表情を浮かべた。
 
 FCフェルボール愛知からサンフレッチェ広島ユースに進み、スピードや得点感覚といった武器に磨きをかけてきた。高校3年生だった昨年9月、同期のMF土肥航大とともにプロ契約を結び、ひと足早くトップチームに合流して練習を続けていたが、本格的なプロ生活は今季から。それでも「最初の頃と比べたら、スピードやゴール前での嗅覚、常にゴールを狙う姿勢といった、自分の長所を出せていると思う。プレーの幅も広がってきていると感じています」と語り、少しずつ手応えをつかんでいる。

 広島の前線は、横浜FC戦で得点を挙げたFWドウグラス・ヴィエイラ、FWレアンドロ・ペレイラの両ブラジル人選手に、両得点をアシストしたMF森島司など、実績のある選手が並ぶ。控えやメンバー外の選手のレベルも高く、その中で公式戦出場のチャンスを勝ち取るためには、より成長しなければならないことを、鮎川も自覚している。

「一つひとつのプレーの質、積極的にゴールに向かっていく姿勢を、もっと見せなければいけないです。運動量を増やして、攻守にわたって貢献していきたい」

 厳しいポジション争いは覚悟の上。チャンスをつかみ取るべく、これからも持ち味を発揮し続ける。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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