昇格組の柏レイソルがホームに迎えるのは北海道コンサドーレ札幌。ともにチームのステップアップのために開幕戦の勝利が必要だと肝に銘ずる。歴戦の将である柏のネルシーニョ監督と札幌のペトロヴィッチ監督が繰り広げる「戦略バトル」が楽しみだ。

■明治安田生命J1リーグ第1節
2020年2月22日(15:00)@三協フロンテア柏スタジアム
柏レイソル vs 北海道コンサドーレ札幌

権謀術数を操る両知将

 2019年はカテゴリーこそ違えど、この2チームの間には共通点が見えた。

 例えば「自信」。柏はJ2で勝ち点84を奪って優勝して堂々の昇格を決めた。札幌はルヴァンカップ決勝で演じた死闘の経験がクラブのDNAに深く刻まれた。タイトルを争うことで得られる目に見えない自信は、長いリーグ戦を戦い抜くベースになる。

 例えば「指揮官」。柏はネルシーニョ、札幌はペトロヴィッチと、日本サッカーを知り尽くした知将が大きな武器だ。どちらも一筋縄ではいかない、根っからの勝負師である。

 昇格組の柏としてはやはり、札幌へのリスペクトを忘れていない。ネルシーニョ監督は「ペトロヴィッチ監督とはこれまで数多く対戦してきて、何度もいい試合をしてきました。彼が作るチームはいつも、クオリティーに優れていて、技術的にも戦術的にも高いレベルにあるのです」と敵将への敬意を惜しまない。

 一方のペトロヴィッチ監督は柏に対する警戒心を研ぎ澄ましている。特に言及したのは、メンタルの強さだ。「やはりJ2から昇格してきたばかりのチームと対戦するのは簡単ではありません。J1で確かな結果を残すことを強いモチベーションとして持っているし、それに柏はそもそもJ1でずっと戦ってきたチームです。すでにJ1のレベルを持っているわけで、そこに加えて、J1でもやってやるという強い気持ちを持って向かってくるわけですから、難しいゲームになるでしょう」

 2月16日にはともにルヴァンカップ第1節を戦っていて、柏がガンバ大阪に1-0、札幌がサガン鳥栖に3-0と、どちらもアウェーで無失点勝利を手にしている。ともに万全の態勢でリーグ開幕戦に登場するだろう。

 ネルシーニョ監督は「J1は難しいリーグで、楽に勝てるチームなどいない。プラン通りに実行して組織的にプレーすることを意識していかないと。それができれば、シーズンを戦うための指標ができる」と序盤でJ1仕様の戦い方を固めたい意向だ。ペトロヴィッチ監督も「今年は前からボールを奪いにいくことにチャレンジしている」と明かし、「3年目の今年、選手に大きな変わりはないけれど、それは継続してチームづくりができているという証拠になる」と自信を隠さない。チームのステップアップに向けた「お披露目ゲーム」になるだろう。

 策士としてさまざまな権謀術数を操るネルシーニョとペトロヴィッチ。自己の強みを見極め、相手の弱点を逃さず突いてくる日本最高クラスの「戦略バトル」こそが、この一戦の最大の魅力かもしれない。


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