沖縄県で2次キャンプ中の川崎フロンターレが2月3日、東京ヴェルディと45分×3本の練習試合を行ない、計9-1で圧勝。新布陣としてトライしている4-3-3が機能し、攻撃力が格段に増している姿を見せつけた。

上写真=東京Vとの練習試合で大量得点を奪った川崎Fのイサカ・ゼイン(写真◎杉園昌之)

ポジション争いが激化

 2年ぶりのリーグ優勝を狙う川崎フロンターレは、キャンプで新システムにトライしながら、リニューアル真っただ中。昨季は4-2-3-1をベースにしていたが、4-3-3に取り組んでおり、手応えも十分だ。2月3日に沖縄県中頭郡中城村の、吉の浦公園ごさまる陸上競技場で行なわれた練習試合では、疲労が蓄積していたJ2の東京Vが相手とはいえ、45分×3本で9ゴールを奪取。試合後の鬼木達監督の表情は明るかった。

「選手たちも、だいぶ整理されてきている。まだチャレンジしている段階。このままやっていきたい」

 選手たちは戦術理解を深めながらも、目の色を変えてポジション争いに挑んでおり、特に新戦力が活発にアピールしていた。3トップの右サイドに入ったU-23日本代表の旗手怜央は、早くも危機感を抱いている。

「いまチャンスをもらっているので、結果を残さなければいけない。そうしないと、鬼木監督の構想から外れる。もっとシュートを打って、自分の形を出していきたいです」

 同じく大卒ルーキーのイサカ・ゼインも必死だった。与えられたプレー時間は15分のみだったが、右サイドバックでいかに持ち味を出すかを考えてプレー。果敢にドリブルで持ち上がり、積極的にシュートも放つ。なかでも得意のキックが光り、正確なサイドチェンジは得点にもつながった。

「限られた時間で自分のプレーを出さなければいけない。いまは目の前にライバルに勝つことだけを考えています。スピードでは他に人に負けません。まずは武器を生かしてアピールしないと、プロの世界では生き残っていけないので」

 筑波大から加入した三笘薫も、持ち前のドリブル突破からPKを誘発するなど、しっかり存在感を示していた。若手の突き上げが、さらにチームを強くしており、鬼木監督もメンバーの骨組みづくりに頭を悩ませている。

「いまは、いろいろな選手が結果を残しています。どの組み合わせがいいのか、まだ見ていきたい」

 新しい血が加わり、調整は順調だ。2020年の川崎Fは、見た目も中身も大きく変わるかもしれない。

文・写真◎杉園昌之


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