11月30日、敵地に乗り込んで前年度王者・川崎フロンターレと対戦した首位・横浜F・マリノスが4-1で完勝した。2位のFC東京が浦和と1-1で引き分けたため、最終節の直接対決(12月7日)で引き分け以上、敗れても3点差以内なら優勝が決まる状況となった。

上写真=1得点1アシストと勝利に貢献した仲川輝人(写真中央/J.LEAGUE)

■2019年11月30日 J1リーグ第33節
 川崎F 1-4 横浜FM
 得点:(川)レアンドロ・ダミアン
    (横)仲川輝人、エリキ2、遠藤渓太

最終節は3点差以内の敗戦でも優勝

 プレッシャーのかかる状況ながら、首位のマリノスはスタートから躍動した。開始早々の8分にマテウスが左サイドを破って中央に折り返すと、ゴール前で待ち構えていた仲川輝人が幸先よくネットを揺らす。

 追加点も後半早々のこと。49分に扇原貴宏のスルーパスに抜け出したエリキが決めて相手を突き放した。さらに69分には大津祐樹とのパス交換で相手DFの裏を取った仲川がボックス内に進入。最後はパスを受けたエリキがきっちり決めて3-0とリードを広げた。

 終盤はフロンターレの猛攻を受け、レアンドロ・ダミアンに1点を返されたものの、89分にはエリキが谷口彰悟からボールを奪って独走。途中出場の遠藤渓太がフィニッシュを担ってチームの4点目をスコアし、マリノスが文字通りの快勝を飾った。

「川崎相手にアウェーの地で4点をスコアするのは簡単ではない選手が本当に素晴らしいゲームをしてくれた」

 アンジェ・ポステコグルー監督はそう言って選手を称賛し、試合内容に自信を示した。

 マリノスは2013年シーズンに勝てば優勝できるという状況でところも同じ等々力競技場に乗り込み、フロンターレに敗北を喫して優勝を逃した苦い経験がある。そんな負の歴史も、快勝で払しょくした。

 同時刻に味の素スタジアムで行われていた2位FC東京と浦和レッズの一戦が1-1の引き分けに終わったため、マリノスは2位との勝ち点差を1から3へと広げ、最終節の直接対決に臨むことになった。つまり、引き分け以上の結果で優勝が決まり、仮に敗れても得失点差が7点あるため、3点差以内の負けなら優勝となる有利な状況になったわけだ。

「まだ、何も決まっていない。東京も手ごわいチーム。最後、しっかり勝利したい」

 指揮官は手綱を締めることを忘れなかったが、最終節を前にマリノスが極めて優位な立場になったのは間違いない。しかも12月7日のFC東京とのリーグ最終戦は、ホームの日産スタジアムで行われる。

 2004年以来15年ぶり4度目の優勝に、横浜F・マリノスが王手をかけた。

写真◎J.LEAGUE

おすすめ記事

サッカーマガジン 2020年1月号


This article is a sponsored article by
''.