インターハイ(全国高校総体)の男子決勝が行なわれ、米子北高(鳥取)と青森山田高(青森)が対戦。前半に先制された青森山田が後半終了間際に追い付くと、延長後半ラストプレーで逆転ゴールを奪い、2-1で勝って16年ぶり2回目の優勝を果たした。

上写真=青森山田は延長後半終了間際の90+1分、右CKをDF丸山大和がヘッドで決めて逆転ゴール。直後に試合終了のホイッスルが鳴った(写真◎石倉利英)

■2021年8月22日 インターハイ(全国高校総体)男子決勝(@テクノポート福井総合公園スタジアム)
米子北高 1-2 青森山田高
得点:(米)佐野航大
   (青)丸山大和2

逆転ゴールの直後に試合終了

 準決勝までの5試合で28得点・2失点という圧巻の勝ち上がりを見せた青森山田高の優位が予想されたが、先制したのは米子北高だった。10分(35分ハーフ)にエリア内でFW福田秀人が倒されてPKを獲得。これをMF佐野航大が決め、早い時間帯に均衡を破る。

 青森山田も失点直後から反撃に転じたものの、ボールホルダーに素早く間合いを詰め、カバーリングも徹底している米子北の堅陣を崩せない。ロングスローなどセットプレーからもチャンスを作ったものの、そのまま米子北の1点リードで前半を終えた。

 後半は青森山田の圧力が増し、両サイドからの突破やセットプレーで何度もゴールを脅かす。だが米子北は追加点こそ奪えないものの、チャレンジ・アンド・カバーが徹底した守備で立ちはだかり、勝利に一歩ずつ近づいていた。

 しかし試合終了間際の69分、青森山田はDF多久島良紀がロングスローと見せかけて近くのMF小原由敬に短く投げ、小原がセンタリング。直前のCKの流れで前線に残っていたDF丸山大和がヘッドで合わせて流し込み、ついに同点とした。

 試合は10分ハーフの延長に入り、ここでも青森山田の猛攻が続いたものの、米子北もプレッシャーをかいくぐって惜しいチャンスを作るなど、激しい攻防が続く。1-1のまま試合は進み、優勝の行方はPK戦に委ねられるかと思われたが、延長後半アディショナルタイムの90+1分、青森山田は左CKのチャンスを得ると、MF藤森颯太のニアサイドへのキックを、またしてもDF丸山がヘッドでたたき込んで逆転ゴール。直後に試合終了のホイッスルが鳴る、まさにラストプレーでゴールをこじ開けた青森山田が、2-1の劇的な勝利で夏の日本一に輝いた。

 準決勝までの5試合で28得点・2失点と相手を圧倒して勝ち上がってきた青森山田は、最後に大苦戦を強いられながらも勝負強さを発揮。黒田剛監督は「そう簡単に優勝はできないと思っていましたが、後半の最後と延長後半の最後で劇的な終わり方ができた。優勝を目指してやってきたので、感無量です」と、16年ぶり2回目となる優勝の喜びに浸っていた。

取材・写真◎石倉利英


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