毎年夏に開催されるインターハイ(全国高校総体)が、新型コロナウイルスの影響で史上初の中止となった。中国地方の高校サッカーの指導者も、最後の夏舞台がなくなった3年生への沈痛な思いを口にしている。

上写真=2016年に広島で開催されたインターハイの決勝。夏の日本一を懸けた舞台は史上初の中止となった(写真◎石倉利英)

「3年生のことを考えると…」

 インターハイ(全国高校総体)は各競技の全国選手権を統合して1963年に始まり、58回目となる今年は、東北から九州の21府県で分散開催される予定だった。だが新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、全国高等学校体育連盟が4月26日に史上初の中止を発表している。

 サッカーにとってもインターハイは、高円宮杯プレミアリーグ、高校選手権と並ぶ3大タイトルの一つ。今年は群馬県で開催されるはずだったが、大会そのものが中止に追い込まれる事態となってしまった。

 ガンバ大阪DF昌子源の母校で、昨年まで12年連続15回のインターハイ出場を誇る米子北高校(鳥取)の城市徳之総監督は、「今回が最後のインターハイだった3年生の気持ちを考えると、何と言えばいいのか、言葉にならない」と残念がった。進学準備のためにインターハイ後に部活動をやめる3年生にとっては、県予選(県高校総体)から含めて競技人生の集大成となるはずだったこともあり、「県レベルで、3年生の最後の舞台を設けることはできないか」と思案しているという。

 セレッソ大阪GK永石拓海、元大分トリニータFW高松大樹など、旧校名の多々良学園時代から多くのJリーガーを輩出している高川学園高校(山口)は、今年のインターハイで2年ぶり23回目の出場を目指していた。江本孝監督は自身が多々良学園3年生のとき、キャプテンとしてインターハイに出場して3位となっており、「素晴らしい思い出がある大会。今年が最後の生徒がいるので…」と3年生を思いやった。
 
 サッカーには、高校選手権という大きな舞台が残っている。高川学園は5月6日まで休校中で行動を制限されているが、江本監督は以前から選手たちに「厳しい状況で、みんなは我慢強さを試されている」と語りかけていた。選手たちもそれに応えて行動しており、静かに次への準備を進めている。

 高川学園は他の部活動も盛んで、各部の顧問はインターハイ中止に落胆しつつ、3年生の進路決定に向けた準備などに動き始めているという。同校副校長でもある江本監督は「子どもたちが、さらに残念な状況にならないように、我々教員はやるべきことをやらなければいけない」と語り、懸命に前を向いていた。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英

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