天皇杯ベスト8を懸けた、J1・2位鹿島と3位横浜FMの一戦。序盤から攻勢に出たのは横浜FMだったが、13分に鹿島のMF中村充孝に先制点を許す。22分にはFWエリキが同点ゴールを決めるも、30分と45+2分に失点し、前半を2点ビハインドで終える。後半、反撃を仕掛けたい横浜FMだったが、77分に4失点目を喫し、ベスト16敗退となった。

上写真=天皇杯ラウンド16・鹿島戦で先発した山谷(写真◎GettyImages)

■2019年9月25日 天皇杯ラウンド16
鹿島 4-1 横浜FM
得点者:(鹿)中村充孝3、伊藤翔 (横)エリキ

「自分にも責任はある」

 来年の元日に“新国立競技場”で開催される決勝、そして6大会ぶりの優勝を目指して鹿島との天皇杯ラウンド16に臨んだ横浜FM。その最前線を務めたのは、今季ユースチームから昇格したプロ1年目のFW山谷侑士だった。

「久しぶりのスタメンだったので、自分が得点を取って(チームを)勝たせる」

 そう意気込んで試合に臨んだものの、結果は1-4の完敗。山谷自身もシュート1本と不発に終わり、「こういう結果になって、とても悔しい。自分の中では、(シュートを)3本は打つつもりで試合に入ったんですけれど、その3本にも至らなかったのは今後の課題」と、唇を噛んだ。

「やっぱり、フォワードが得点を取れば負けることはない。自分にも(敗退の)責任はあると思っています」

 特に悔やんだのは、1点ビハインドで迎えた36分のシーン。FWエリキからのパスを受けて右足を振り抜くも、シュートは枠を外した。「自分が決めていれば流れも変わったのかな……」と、チャンスを物にできず肩を落とす。

「チームの勝利が最優先。その中で、自分がゴールを決めて勝つのが一番理想的。ただ、それを実現できなかった。鹿島は(ピッチの)真ん中に(選手が)密集するので、ディフェンダー(2人のセンターバック)の片方が落ちたときに背後のスペースが空くから、そこを狙っていて、後半は何本か良いパスが入ってきたんですけれど、ゴールに結びつかなかった」と、自身の力不足を痛感した。

 この敗戦により、天皇杯の戦いは幕を閉じた。残すはリーグ・タイトルのみ。J1では26節を終えて首位FC東京と勝ち点4差の3位につけており、逆転優勝も十分に狙えるだろう。中学時代から在籍するクラブに歓喜をもたらすため、山谷は貪欲に結果を求める。

「チームを勝たせられる存在になりたいし、『自分が決めてやる』という気持ちで常にプレーしたい。もしも5分でも、10分でも、(出場する)チャンスがめぐってきたら、ゴールを決めて、(チームを)勝たせたいですね」

 トリコロールの若きストライカーは、これからもゴールを目指す。

取材◎小林康幸

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