AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16第2戦、鹿島をホームに迎えた広島は、逆転での勝ち抜きに向けて猛追。だが微妙な判定で『逆転ゴール』が認められず、無念の敗退となった。

上写真=シミュレーションの判定でパトリックの得点が認められず、柏(18番)など広島の選手たちが主審に詰め寄る(写真◎Getty Images)

■2019年6月25日 AFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16第2戦
 広島 3-2 鹿島
 得点者:(広)パトリック2、佐々木翔
     (鹿)土居聖真2
  ※2試合合計3-3、アウェーゴールの差で鹿島がベスト8に進出

決まったかと思われたゴールが…

 アウェーでの第1戦を0-1で落としていた広島は、この日の第2戦も序盤から押し気味に進めながら、33分に失点。この時点で延長突入の可能性はなくなり、ベスト8進出のためには、後半終了までに3得点以上を決めて逆転するしかなくなった。

 しかし、後半開始からFWパトリックを投入すると攻撃がさらに勢い付き、66分にMF柏好文のセンタリングを、そのパトリックがヘッドで決めて、まず1点。72分にはゴール前のこぼれ球をDF佐々木翔が左足で狙うと、鹿島MF三竿健斗に当たってコースが変わったボールがニアサイドに飛び込み(公式記録は佐々木の得点)、2-1として2試合合計スコアで並んだ。
 
 74分、リスク覚悟で攻め込んでいたスキを突かれてカウンターを浴び、抜け出した鹿島MF土居聖真をGK中林洋次が倒し、一発退場に。1人少なくなったものの、それでも前がかりに攻める広島は、81分に決定機を迎える。柏がMF野津田岳人とのワンツーで右サイドを破ってセンタリングを送ると、ファーサイドでパトリックが合わせ、3-1として2試合合計で逆転! …かと思われたが、直前にアリ・アルカイシ主審の笛が鳴っており、得点は認められなかった。
 
 柏は試合後、「審判には『シミュレーション』と言われた」とコメント。鹿島の選手と競り合いながらセンタリングを送った直後に倒れ込んだプレーを、そう判定されていた。憤りは隠せなかったが、「自分たちのやれることはやった。ホームで勝たなければいけない状況、しかも先制点を許した条件で、気持ちを見せられたと思う。審判も、人間がやっていることなので…受け入れがたいジャッジが多かったですけど、それも含めての勝負だと思う」と努めて冷静に振り返った。
 
 幻のゴールの後、89分に失点して2-2に。後半アディショナルタイムにパトリックがPKを決め、なおも追いすがったが、直後に試合終了となった。前回王者の鹿島を追い詰めながらも、クラブ史上初のACLベスト8はならず。柏は「鹿島には、自分たちの分も頑張ってほしいとピッチ上で伝えた。なかなか切り替えるのは難しいですけど、またリーグで鹿島戦があるので、アウェーの地で借りを返せるように、しっかりやりたい」と語り、鹿島との3連戦の最後、30日のJ1第17節に目を向けていた。

取材◎石倉利英 写真◎Getty Images


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