上写真=渡邊凌磨はさまざまな役割をこなしてフル出場(写真◎Getty Images)
■2025年6月18日 GS1節・E組(@ルーメン・フィールド)
リーベル・プレート 3-1 浦和
得点:(リ)ファクンド・コリーディオ、セバスティアン・ドリウッシ、マキシミリアーノ・メサ
(浦)松尾佑介
「死ぬ気でやっていきたい」
アルゼンチンの雄、リーベル・プレートに1-3で敗戦。浦和レッズが世界の厳しさをまざまざと見せつけられた。
渡邊凌磨の第一声は「すごい楽しかったです」。強い相手と真っ向勝負するアスリートの本能がそう言わせたのだろうが、現実は厳しい。だからこそ、あえて本音を隠さなかった。
「もっともっと全員がビビらずやらなきゃいけないなというのを率直に感じた。力の差というよりも、もうピッチに立った瞬間、負けてる部分があったような気がして、それがすごい悔しいです」
マチェイ・スコルジャ監督も「立ち上がりは用意した形でプレーすることができず、自分たちのリズムを作ることができませんでした」と振り返ったが、キックオフから相手のアプローチの激しさと速さをまともに受けてしまって、ボールが足につかないシーンが続いた。
それを渡邊は「基準」という言葉を使って示した。
「クリアボール一つを取っても、味方につなぐだとか、意図を持ったクリアボールがすごい大事になる。Jリーグではピンチにならないシーンも、クリア一つでピンチになるシーンがたくさんあったと思うんですよ。そういうのをもっともっと突き詰めなきゃいけないし、セカンドボール拾う意識も前半は少なかったし、技術というよりも基準の差を見せつけられたと思います」
先制点は浦和の右サイドを空けてしまってやすやすとクロスを上げられ、中央でもマークにつけずにヘッドで押し込まれた。2失点目はマリウス・ホイブラーテンのバックヘッドが短くなった痛恨のミスから決められた。カウンターから得たPKを松尾佑介が決めたが、浦和の右からのCKを中央で叩き込まれて引き離された。リーベル・プレートの試合運びのうまさが際立った。
「僕らの戦い方は中締めスタートがセオリーではあるんですけど、中に人がいなかったらなるべく早めにスライドするとか、そこは臨機応変にチームで話し合いながらやらなきゃいけないと感じたし、日本よりも中を使う回数は僕は少なく感じたので、その駆け引きをもっともっとしていかなければと思いました」
渡邊は中盤の中央でスタートし、左サイドハーフに移り、さらには2トップの一角に入るようなポジションを取って、状況に応じてさまざまな役割を与えられた。1点を返したところからは浦和の時間もあった。しかし、もう1点が取れそうで取れない。渡邊はそのもどかしさをこぼした。
「なんかめちゃめちゃ差を感じたというよりも、もう基準で負けてたら比べようもないなっていう率直な印象です」
だが、まだ少なくとも2試合が残っている。
「すごく不甲斐ない試合を見せてしまったので、残りの2戦はしっかり勝ち点を取れるように死ぬ気でやっていきたい」
イタリアの名門インテルとメキシコのモンテレイを相手に、その「基準」で上回って勝ち点をもぎ取りたい。