【高校・ユース】第25回波崎ユースカップ　頂点に立ったのは流通経済大柏！

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2022-12-28

サッカーマガジン編集部 @ soccermagazine

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12月25日（日）から28日（水）の4日間にわたり、サッカータウン波崎にて「第25回波崎ユースカップ」が開催された。最終日となる大会4日目は全84チームの順位を決める決勝トーナメントが行なわれ、流通経済大付属柏高校(千葉)が優勝を飾った。

上写真＝喜びを爆発させる流通経済大柏の選手たち

延長後半の決勝ゴール

　第101回全国高校サッカー選手権大会が開幕した28日、茨城県神栖市のサッカータウン波崎では、早くも来年度に向けた熱い戦いが繰り広げられていた。

　高校1・2年生で構成されたチームが出場する「第25回波崎ユースカップ」には、北は北海道から南は福岡まで、全国各地の強豪校が参加し、全84チームが各カテゴリーでしのぎを削った。参加校の顔ぶれを見ると、前橋育英（群馬）、流通経済大付属柏（千葉）、市立船橋（千葉）、静岡学園（静岡）、東福岡（福岡）と、近年の選手権優勝校がずらり。その多くは今年度の選手権予選で惜しくも敗退したチームで、この大会は実戦を通じた強化だけでなく、来年度に向けたリスタートの意味合いもある。

　大会初日からハイレベルの試合が続く中、各都道府県インターハイ予選・選手権予選でベスト4以上（2020～2022年度の結果）のチームが参加するカテゴリー1では、武南（埼玉）、静岡学園（静岡）、立教新座（埼玉）、流通経済大付属柏（千葉）がベスト4に進出。最終日午前に準決勝2試合が行なわれ、決勝のカードは静岡学園vs流通経済大付属柏に決まった。

　準決勝終了後、約2時間後に行なわれた決勝は選手たちのコンディションも心配されたが、キックオフの笛が鳴るや否や、両チームは疲れを一切感じさせない高強度のプレーを展開。細かいパスとドリブルで攻撃を組み立てる静岡学園に対し、流通経済大付属柏が勇猛果敢なプレスで襲いかかるという、それぞれのチームカラーが前面に表れた好ゲームとなった。前半にCKから流通経済大付属柏が先制するも、後半に静岡学園がドリブル突破から同点ゴールを奪い、前後半で決着がつかず、1-1のまま延長に突入した。

　延長に入ってもこう着状態が続いたが、試合を決めたのは、流通経済大付属柏のMF堀川由幹の右足だった。延長後半の開始早々2分、縦に速い攻撃で敵陣深くまで攻め込むと、FW本橋漣がボールキープから堀川にパス。中央で受けた堀川は鋭い反転から強引に前を向き、相手DFを振り切って力いっぱいのシュートをゴールに突き刺した。「仲間からのパスを決めるだけでした」と殊勲の堀川は謙そんしたが、技術と思い切りの良さが光る素晴らしいゴールだった。

　その後、試合終了のホイッスルが吹かれると、流通経済大付属柏の選手たちは雄叫びを上げながら全身で喜びを表現し、チームキャプテンを務めた1年生のDF佐藤夢真は男泣きに泣いた。

「ピッチ内でも、ピッチ外でもキャプテンの自分がみんなをまとめて、絶対に優勝したいと思っていました。それに対してみんながついてきてくれて、最後も延長で点を取ってくれて、みんなが助けてくれたので…うれしくて泣いてしまいました」

　徹底的に勝利にこだわる姿勢も、流通経済大付属柏の特徴のひとつ。今大会で指揮を執った齋藤礼音コーチは「それだけではダメなことは分かっているけど」と前置きしつつ、「勝つことで選手は育つ」と胸を張る。今大会は1年生を主体としたチームで臨み、並み居る強豪を倒して優勝をつかみ取った。来年の今頃、もしも流通経済大付属柏が選手権の舞台に戻っていれば、この波崎ユースカップでの成功体験が、決して小さくない影響を及ぼしたと言えるだろう。