3年ぶりとなるサッカーマガジンカップ・オープン大会(通称:マガ杯)は40回目の節目の年を迎えている。大学の準体育会・同好会・サークルを中心に48チームが菅平高原に集結し、9月9日から5日間の熱い試合を戦い抜く。最終日となる大会5日目の13日は決勝トーナメントの決勝、3位決定戦など、全48チームの順位を決める試合が行われ、早稲田大学稲穂キッカーズAが40回目の記念大会の頂点に立った。

上写真=頂点に立った早稲田大学稲穂キッカーズA(写真◎川口洋邦)

隙のない攻守で前回王者を圧倒
稲穂Aが2017年以来4度目の戴冠

 9月13日の大会最終日は、いよいよ決勝をはじめ、参加48チームすべての順位が決まる最後の試合が菅平高原各グラウンドで行なわれた。

 決勝に先駆けて行われた3位決定戦では、FC NINDO Aが前半に挙げた虎の子の1点を守りきり、早稲田大学HUMAN.FC Aに勝利。残すは決勝のみとなった。

画像: 3位決定戦では初出場のFC NINDOが1-0で勝利した(写真:川口洋邦)

3位決定戦では初出場のFC NINDOが1-0で勝利した(写真:川口洋邦)

 映えある記念大会のファイナリストは 早稲田大学稲穂キッカーズA(稲穂A)と中央大学体同連フースバルクラブ A(フースバルA)。ともに大学同好会サッカー界では名門同士、そしてマガ杯の決勝では2016年大会(第34回大会)と同じ顔合わせとなった。稲穂Aは2017年大会以来の優勝を、フースバルAは前回開催された2019年大会に続く『連覇』を狙う舞台だ。

 決勝トーナメントに入ってから、稲穂Aは4試合でわずか1失点のみ。フースバルAにいたっては4試合無失点と、鉄壁の守備をベースに勝ち上がってきた両チームだけに、キックオフから互いに決定機を作らせない展開が続く。

 そんな拮抗した展開の均衡が破れたのは後半3分。フースバルA陣内に攻め込んだ稲穂Aの松沢充輝に素早くフースバルA守備陣が左右から寄せ、3人がもんどり打って倒れ込む。ファウルの笛が鳴ってもおかしくない場面だ。一瞬、フースバルAの足が止まった隙を、全員がプレーを続行していた稲穂Aは見逃さなかった。右サイドで相手より一瞬早くボールに触れて上がったクロスを、左サイドからクロスを信じて中央に走り込んだ中塚剛祐がヘッドで流し込んだ。1−0、ついにスコアが動いた。

画像: 後半3分の得点シーン。稲穂Aの中塚が一瞬の隙を突いてフースバルの鉄壁の守備をこじ開けた(写真:川口洋邦)

後半3分の得点シーン。稲穂Aの中塚が一瞬の隙を突いてフースバルの鉄壁の守備をこじ開けた(写真:川口洋邦)

画像: フースバルAもキャプテンの山口(左)を中心に攻守に見所を作った(写真:川口洋邦)

フースバルAもキャプテンの山口(左)を中心に攻守に見所を作った(写真:川口洋邦)

 フースバルAもCBのキャプテン山口輝を前線に上げ、リスク覚悟で攻撃に厚みを加えるが、冷静な稲穂Aの守備は綻びを見せることなくタイムアップ。40回の記念大会に、稲穂Aが通算4度目の優勝を果たした。チームをまとめた横井キャプテンは試合を振り返って勝因を語る。

「本当に苦しい試合でしたが、全員が歯を食いしばって守って、前の選手が点を取って、他の選手やマネジャーも周りからたくさん盛り上げてくれて。今年の稲穂のテーマである『圧倒的一体感』を出せたからこその優勝だと思います」

 得点シーンも、ピッチ内外の全員の意思が一つだったからこそ生まれたゴールだと言っていい。

 コロナ禍により3年ぶりに開催されたマガ杯。同好会・サークルの日本一を決める大会として40年の歴史を紡いできたが、一方で今大会チームの中心となる3年生にとっては初めて参加する大会だった。だが、空白の2年間を、長いようで短かった5日間の経験がしっかり埋めてくれたことは、横井キャプテンの言葉が表している。

「想像以上にお祭りムードで、普段戦うことのない他のサークルとも交流ができて、サークルサッカーにとってこれほど盛り上がる大会はないと改めて感じました。今後もこの伝統あるマガ杯を大事にしていきたいし、後輩たちに繋いでいきたいと思います」

画像: 決勝終了後、両チームの選手が健闘を称え合った(写真:川口洋邦)

決勝終了後、両チームの選手が健闘を称え合った(写真:川口洋邦)

【最終結果】

優勝 早稲田大学稲穂キッカーズA

画像1: 隙のない攻守で前回王者を圧倒 稲穂Aが2017年以来4度目の戴冠

準優勝 中央大学体同連フースバルクラブA

画像2: 隙のない攻守で前回王者を圧倒 稲穂Aが2017年以来4度目の戴冠

3位 FC NINDO A

画像3: 隙のない攻守で前回王者を圧倒 稲穂Aが2017年以来4度目の戴冠

4位 早稲田大学HUMAN.FC A
5位 早稲田大学稲穂キッカーズB
6位 中央大学MAPLE
7位 青理A
8位 中央大学体同連フースバルクラブB
9位 FC NINDO B
10位 中央大学サッカー同好会 プリンス
11位 早稲田大学FC.GUSTA B
12位 早稲田大学稲穂キッカーズD
13位 法政大学工体連サッカー部A
14位 Vermüle A
15位 大馬鹿ウーロン海賊団
16位 ダンディーズ
17位 中央大学サッカー同好会
18位 中央大学サッカー同好会 マイムマイム
19位 立教大学サッカー愛好会B
20位 明治大学生田サッカー部蹴友会A
21位 明治大学体同連サッカー部B
22位 立教大学サッカー愛好会A
23位 早稲田大学FC.GUSTA A
24位 明治大学体同連サッカー部A
25位 CANTTAMMA
26位 中央大学サッカー同好会54期
27位 早稲田大学稲穂キッカーズC
28位 同志社大学三ツ葉キッカーズB
29位 所沢麦蹴同好会
30位 青理B
31位 早稲田大学荒友キッカーズA
32位 キッカーズFC
33位 同志社大学三ツ葉キッカーズA
34位 筑波大学サッカー同好会
35位 中央大学体同連フースバルクラブC
36位 早稲田大学HUMAN.FC B
37位 早稲田大学理工サッカー部A
38位 法政大学東小金井蹴球部
39位 法政大学工体連サッカー部B
40位 早稲田大学理工サッカー部B
41位 明治大学Groovykids
42位 明治大学体同連サッカー部C
43位 早稲田大学HUMAN.FC C
44位 上智大学FC.eagle
45位 立教大学サッカー愛好会C
46位 明治大学生田サッカー部蹴友会B
47位 Vermüle B
48位 早稲田大学荒友キッカーズB

【個人表彰】

●優秀選手(16名)

画像4: 隙のない攻守で前回王者を圧倒 稲穂Aが2017年以来4度目の戴冠

1 小倉 佑太(中央大学体同連フースバルクラブA)
2 河島 佑樹(早稲田大学稲穂キッカーズA)
3 二井田 樹(中央大学体同連フースバルクラブA)
4 小島 和典(中央大学体同連フースバルクラブB)
5 山口 輝 (中央大学体同連フースバルクラブA)
6 前岡 英寿(早稲田大学稲穂キッカーズA)
7 奥野 開 (早稲田大学稲穂キッカーズA)
8 渡邉 健矢(FC NINDO A)
9 新谷 唯我(中央大学サッカー同好会)
10竹野 豪 (早稲田大学HUMAN.FC A)
11蔵田 旺祐(早稲田大学稲穂キッカーズA)
12髙村 和希(青理 A)
13堺 誠真 (FC NINDO A)
14小山 尚紀(早稲田大学HUMAN.FC A)
15森島 雅貴(早稲田大学稲穂キッカーズB)
16野田 翔大(中央大学MAPLE)

●最優秀選手
蔵田 旺祐(早稲田大学稲穂キッカーズA)

●得点王
竹野 豪 (早稲田大学HUMAN.FC A)/5得点

画像: 左がMVPの蔵田、右が得点王の竹野

左がMVPの蔵田、右が得点王の竹野

画像: 1〜8位トーナメント/9〜16位トーナメント

1〜8位トーナメント/9〜16位トーナメント

画像: 17〜24位トーナメント/25〜32位トーナメント

17〜24位トーナメント/25〜32位トーナメント

画像: 33〜40位トーナメント/41〜48位トーナメント

33〜40位トーナメント/41〜48位トーナメント


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