ドバイカップU-23に参加しているU-21日本代表は初戦でU-23クロアチア代表に1-0で勝利を収め、今夜、U-23カタール代表と第2戦を戦う(日本時間21時)。チームを率いる大岩剛監督がオンラインで取材に応じ、意気込みを語った。

上写真=オンラインで取材に応じたU-21日本代表の大岩剛監督(写真◎スクリーンショット)

いつ何時でも自分の力を出せる選手に

 日本は大会初戦でクロアチアと対戦し、1-0で勝利を飾った。終始相手を押し込む展開となり、小田裕太郎(神戸)がゴールをスコアして危なげなく勝ち切った。相手チームがより若い選手で編成され、チームとして形になっていなかった点を差し引いても、パリ五輪を目指すチームの第一歩として価値ある勝利になった。

 迎える第2戦の相手はカタール。A代表は2019年のアジアカップで優勝。近年、アジアの中でも力をつけているチームだ。大岩監督は「映像を見ても非常に力のある選手が多いし、前線にはスピードのある選手が多い。コーチングスタッフには様々な国の方がいます、現代的なサッカーする」とその印象を語り、「組織的でテクニカルなサッカーしていますし、幅を使った攻撃もしてくる。でもウィークポイントもいくつか見受けられるので、そこを突いていきたい」と、勝ち筋をチーム全体で共有して試合に臨みたいとした。

 今回の遠征では、クラブ事情から直前に合流した選手、途中で離脱する選手がおり、選手起用についてはある種の制限が伴う。その中でも指揮官は「(前の試合で)途中から出た選手や出ていない選手を積極的に使いたいと思います」と、多くの選手に出場機会を与えることを示唆した。

 チームの立ち上げから、「パリ五輪経由A代表行きではなく、A代表にいながらパリ五輪に出場する」ことを大岩監督は選手に求めている。取材前日にA代表がカタールW杯出場を決めたことについて聞かれ、「昨日、選手たちにも言いましたけど、ギリギリの戦いがあり、いろんなプレッシャーがある。気候、環境、試合までのアプローチ、ピッチの中に入ったときに相手との駆け引きや戦い、そういうもの対応する力がサッカー選手としての大きさにつながっていくし、すべてを踏まえて関わってあの舞台に立って勝つという偉業を達成できる。そこに向かうには一筋縄でいかないし一足飛びにはいかない」と、目指すべき水準には一朝一夕で到達できないことを改めて選手と共有したと話した。

 むろん、そこに諦めの気持ちなどない。むしろその逆だ。いかにして求められる水準に到達していくかを確認したということ。近道は、ない。「われわれは一つひとつの試合、練習で刺激を受けながら、そういう選手たちになることを目指す。厳しい環境を体感した選手も何人かいますので、それをしっかり自分たちのスタンダードにして、日常を変えていくしかないと思っています。選手たち自身がそのことを感じ、気づき、続けて、行動を変えていくことがあの舞台に個人として立てるタイミングを早めていくこといなると思います」。大岩監督は一歩一歩、前に進むことを選手に求め、チームとしても成長する意欲を示した。

 今、パリ五輪を目指すのは世界を経験する貴重な機会が失われた世代の選手たちだ。コロナ禍のために本来なら世界を知る場となるはずだったU-20W杯が中止となった(2021年に開催予定だった)。その一方で東京五輪の開催も1年延期されたため、パリ五輪までの準備期間は通常よりも1年短い3年になった。そんな状況であるからこそ、これまで以上に一つひとつの代表活動、練習、試合が重要になる。

「A代表は最終予選を戦う中でシステムや戦い方がブレないながらも変化してきた。そういう中でどういう選手がチームとして必要とされるのか。チームとして力を発揮できるのか。実際にわれわれもそういう選手たちを見てきているので、そこを目指そうと。どんな環境でもどんなシステムでもどんな戦術でも、いつ何時でも自分の力をしっかりと出せるプレーヤーを見極めていきたいし、育てていきたい。A代表に負けないようなグループにしていきたい」

 多くの選手がA代表のオーストラリア戦を見て、感じるものがあったという。ポジティブな刺激を受けたU-21代表が今夜、カタール戦に臨む。


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