東京五輪の男子サッカー競技は25日、各地で1次リーグ第2戦を戦った。A組の第1試合ではフランスと南アフリカが対戦。ともに初戦を落としているだけに酷暑中でもアグレッシブに点を取りにいく展開となり、後半は激しい点の取り合いに。ジニャクが爆発したフランスが逆転勝ちし、勝ち点3を手にした。

上写真=3ゴール1アシストの活躍でフランスを勝利に導いたジニャク(写真◎Getty Images)

■2021年7月25日 サッカー男子1次ラウンドA組(@埼玉スタジアム2002)
フランス 4ー3 南アフリカ
得点:(フ)アンドレピエール・ジニャク3、テジ・サバニエ
   (南)コバメロ・コディサング、エビデンス・マクコパ、テボー・モコエナ

・フランスメンバー:GKポール・ベルナルドニ、DFクレマン・ミシェラン、ピエール・カルル、アントニ・カシ、ニエル・ヌカンク、MFテジ・サバニエ、リュカ・トゥサール(68分:アルノー・ノルダン)、フロリアン・ソーバン(68分:アレクシ・ベカベカ)、ランダル・コロムアニ、ナタナエル・ムブク(61分:エンゾ・ルフィー)、FWアンドレピエール・ジニャク

・南アフリカメンバー:GKロンウェン・ウィリアムズ、DFリーブ・フロスラー(83分:テンド・ムクメラ)、ルーク・フルールス、レポ・マレペ、カットレゴ・モハンム、MFテボー・モコエナ(83分:ジェームズ・モンヤネ)、ルーサー・シン、ヌコシンギフィレ・ヌグコボ(65分:カモヘロ・マラシ)、タボ・セレ、コバメロ・コディサング(77分:グッドマン・モセレ)、FWエビデンス・マクコパ

点の取り合いはアディショナルタイムに決着

 初戦で日本に惜敗した南アフリカはまるで違う戦い方を見せた。守備重視ではなく、前に出る。フランスも受けに回らず攻め手を探るため、試合はオープンな『攻め合い』になった。最初のゴールは南アフリカだ。前半からキレのあるドリブルを見せていたコディサングが左サイドからバイタルエリアに進出し、右足を一振り。53分、ゴールに突き刺した。南アフリカにとっては前半終了間際に訪れたPKのチャンスに失敗していただけに、大きな1点になった。だが、4分後にフランスもジニャクの得点ですぐに追いつく。左からのクロスに左足でシュート。コースをうまく突き、ネットを揺らした。

 1-1となってから、試合はさらに加速していく。南アフリカのFWマクコバがコディサングの右クロスに合わせて突き放すと(72分)、今度は右からのクロスをジニャクがヘッド(78分)。すると81分にモコエナがミドルを突き刺して三たび、フランスを突き放した。これで勝負ありかと思われたが、フランスも諦めていなかった。5分後、左からのクロスに飛び込んだノルダンがボックス内でGKと接触。PKを獲得し、これをジニャクが冷静に決めて、3-3の同点に追い付いた。

 試合はアディショナルタイムに突入。しかしドロー決着とはならなかった。さらなるクライマックスが待っていたのだ。90+2分のことだ。左サイドに開いたノルダンにボールが入ると、ジニャクがさらに外側を全速力で駆け上がり、深い位置からクロスを送る。中央のコロムアニには合わなかったものの、サバニエがしっかり引き取って左足を一閃。この試合で初めてフランスが勝ち越しに成功。その場に崩れ落ちる南アフリカの選手たち。歓喜するフランスイレブン。試合終了間際に南アフリカの10番シンの右クロスがゴール前でフリーになったフルールスに通ったが、決め切れず、試合はそのまま4-3で決着した。

 3度もリードを許す苦しい展開を自らハットトリックを達成して追いつき、1アシストで勝ち越しを実現したジニャクは、まさに圧巻の活躍ぶりだった。オーバーエイジの面目躍如。フランスは勝ち点3を手にし、決勝トーナメント進出の可能性をしっかり残した。一方で、南アフリカは連敗。新型コロナウイルスの影響を受けて難しい調整を強いられる中、好ゲームを演じたが、2試合目で8強入りの可能性が潰えてしまった。


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