島根県出雲市の女子チーム、ディオッサ出雲FCには現在、GKが1人しかいない。唯一の存在である長竹亜依は、競い合い、高め合いながら、なでしこリーグ昇格を目指す新しい仲間の加入を願っている。

上写真=ディオッサ出雲FCで1人だけのGK。長竹は仲間と競い合う日々を心待ちにしている(写真◎石倉利英)

2人が退団して1人に

 島根県出雲市を拠点に活動している女子チーム、ディオッサ出雲FCは現在、中国女子リーグ1部に所属。創立30周年の節目となる今季、なでしこリーグ(2部)昇格を最大の目標に掲げ、将来の同1部昇格、さらには、なでしこリーグの上位に位置するプロリーグとして今年9月に開幕する、WE(ウィー)リーグへの参入も目指している。

 昨季まで中国女子リーグは2年連続で無敗優勝しており、昨季はクラブ史上初めて、皇后杯全日本選手権の全国大会で1回戦を突破した。今季も中国女子リーグで2連勝スタートと順調に歩みを進めているが、ある問題を抱えている。現在所属しているGKが1人しかいないのだ。

 チーム唯一のGK、長竹亜依は栃木県出身。6歳でサッカーを始め、小学5年生のときにGKとなった。高校女子サッカーの名門、常盤木学園高(宮城)を卒業後、「地域リーグから上を目指していくクラブでプレーしたい」との思いで昨季ディオッサに加入した。

 出雲市には18歳以上の独身女性を対象に、県外からの移住や定住を支援・促進する『出雲大好きI(アイ)ターン女性支援助成金』という制度があり、長竹も他の選手と同様に活用。セラミックコンデンサの開発・生産などを手がけている地元企業、出雲村田製作所の物流管理部門で働きながらプレーしている。

画像: 地元企業の出雲村田製作所で働きながらプレー。練習日は勤務後にグラウンドに向かう

地元企業の出雲村田製作所で働きながらプレー。練習日は勤務後にグラウンドに向かう

 昨季は計3人のGKが所属していたが、2人が退団して1人に。シュート練習では「たくさん受けることができるぶん、経験が自分の力になりやすい」と語るプラス要素はあるものの、「全部受けるのは無理なので、少し休んだり、自分で調整しながらプレーしている」と苦労を明かす。コンディション管理には昨季以上に万全を期しているものの、それでもケガのリスクはあり、公式戦なら退場に気を付けなければならない。


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