10月13日、日本代表はオランダ遠征での2試合目、コートジボワール戦に臨んだ。互いに攻め合い、タイトに守り合う引き締まったゲームとなったが、後半アディショナルタイムに日本がゴールをスコア。2020年初勝利を挙げ、実り多き10月シリーズを締めくくった。

上写真=90+1分、劇的なヘッドを決めて日本に勝利をもたらした植田直通(写真◎Getty Images)

■2020年10月13日 国際親善試合(リモートマッチ/@オランダ:スタディオン・ハルヘンワール)
日本 1-0 コートジボワール
得点:(日)植田直通

画像: ■2020年10月13日 国際親善試合(リモートマッチ/@オランダ:スタディオン・ハルヘンワール) 日本 1-0 コートジボワール 得点:(日)植田直通

選手がチャレンジしながら結果を出してくれた(森保一監督)

 4日前のカメルーン戦に続き、スコアレスドローで試合が終わるかと思われた。しかし、劇的な展開が待っていた。後半のアディショナルタイム。スコアが動く。敵陣のやや右寄りの位置で得たFK。キッカーの柴崎は、右足でファーサイドへ鋭いボールを送った。待っていたのは、植田。その3分前に室屋に交代してピッチに入ったばかりだった。

 マーカーのコッスヌの背後を回ってフリーになると、ボールの到着点に飛び込むようにしてヘディング。豪快にネットを揺らし、決勝ゴールをスコアした。試合後、吉田が明かしたところによれば、「アフリカ勢はファーが空くことが多い。へディングが得意な直通と冨安にはファーに行ってもらて、自分はニアでおとりになって。岳にもファーに蹴るように言いました」と狙い通りにゴールだった。

 最後の最後にセットプレーから得点し、勝利をつかんだのはラッキーだったからではない。4日前のカメルーン戦で出た課題を修正して戦い、時に攻撃も守備も相手を上回ってみせた日本は勝利に値した。プレスがハマらずにその積極性が空回りするようなことはなく、序盤から相手にしっかりプレッシャーをかけていった。ビルドアップがままならず、攻めが停滞することもこの日はなかった。ボランチがボールを引き出し、ボールを展開して敵陣に何度も攻め入った。シュート数も12対8と上回っている。

 後半は相手がシステムを変更し(アンカーを採用)、日本も適応に少し時間がかかったために攻め込まれることになったが、選手を交代させながら修正を図り、守備の強度を保ち、攻撃姿勢を貫き通した。その結果が、最後に勝利に結びついたと言っていい。

「相手は本当に力のあるチームでつい最近の試合ではFIFAランク1位のベルギーとフレンドリーマッチを行なって1対1の引き分けという結果をつかみとっています。もちろん全ての時間で優位に進められればいいですけど、彼らは力があるので攻め込まれる時間があるのも仕方がないと思います。それでも粘り強く無失点で終わらせられることができてよかった」

 前回のカメルーン戦も無失点だったが、この日のコートジボワール戦ではさらに守備の安定感が増したように感じられた。前からの守備、集中力、そして高さと強さのある吉田と冨安のCBペア。この2試合は大きな自信につながると吉田主将も振り返っていた。

 この10月シリーズをコンセプトの確認と選手のコンディションの把握の機会と話していた森保監督は、一方で3バックにトライするなど、戦術的な幅の獲得にも努めた。その成果について改めて指揮官は語っている。

「今回チャレンジしたいと思っていたことに関しては、ある程度の事はできたかなと。それをパーセンテージで表すの難しいですけど、準備してきたことも含め、100パーセントではないものの、できたと思っています。選手たちにはいろんなことを要求してきましたけど、選手たちがこれをやろうと、勇気を持って積極的に、そしてポジティブにチャレンジしてくれたことが監督としてありがたいと思います。チャレンジしながら結果を出すという部分も、素晴らしいハードワークしてくれたと思っています」

 約1年ぶりの代表活動は実りの多い時間になった。移動距離が短く、相手のコンディションが良好なことで貴重な強化試合にもなった。充実した合宿を過ごし、価値ある親善試合を戦った日本は来年3月に再開予定のW杯予選に向けて準備を進めていく。指揮官は11月にも同様の活動機会を設けたいとしているが、新型コロナウイルスの状況もあり、乗り越えるべきハードルがまだいくつもある。今のところ、予定はまったくの未定だという。


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