日本サッカー協会(JFA)は第17回日本サッカー殿堂に、木村和司氏とフィリップ・トルシエ氏を掲額することを決定した。9月10日のJFA理事会において決議・発表されている。

上写真=アマチュアの日本リーグ時代から日本代表でも活躍した木村氏(左)と、2002年日韓ワールドカップで日本代表監督を務めたトルシエ氏(写真◎BBM)

掲額式典は延期

 木村和司氏は1958年7月19日生まれ、広島県出身。県立広島工高時代から技巧派の右ウイングとして注目を集め、明治大を経て81年に横浜F・マリノスの前身である日本リーグの日産自動車に加入。攻撃的MFにコンバートされて高いゲームメーク能力と得点力を発揮し、なかでも鋭く曲がって落ちる直接FKは相手の脅威となった。

 大学時代に初めて選出された日本代表でも長年、中心選手として活躍し、国際Aマッチ通算54試合出場・26得点。なかでも85年10月、翌年のメキシコ・ワールドカップ(W杯)出場を懸けた最終予選の韓国戦で決めた見事な直接FKは、日本サッカー史で語り継がれている。創設間もないJリーグでもプレーし、現役引退後はフットサル日本代表監督や、横浜F・マリノスの監督を務めた。

 木村氏はJFAを通じて発表したコメントで、まず新型コロナウイルスの影響下で業務にあたっている医療従事者や物流事業者、各店の販売員への感謝の意を示した。さらにサッカーを始めた広島のクラブチーム、大河FCの創設者である浜本敏勝氏、日産自動車の監督だった加茂周氏、メキシコW杯を目指した日本代表で監督を務めた森孝慈氏の名前を挙げた上で、「このサッカー人生で出会い、ともにプレーした仲間やスタッフ、全ての方に感謝します。近い将来、不安なく、スポーツを、サッカーをみんなが笑顔で楽しめる日が戻ってくることを祈っています」とつづっている。

 フィリップ・トルシエ氏は1955年3月21日生まれ、フランス出身。日本が初出場したフランスW杯後の1998年に日本代表監督に就任し、U-23日本代表、U-20日本代表の監督も兼務。1999年にU-20代表をワールドユース(現U-20W杯)準優勝、2000年にはU-23代表をシドニー・オリンピックでベスト8に導いている。日本代表では00年アジアカップ優勝、01年コンフェデレーションズカップ準優勝。02日韓W杯ではグループステージを突破し、ベスト16進出を果たした。現在はU-19ベトナム代表監督を務めている。

 トルシエ氏は「日本サッカー殿堂に私の名前が刻まれるとの大変栄誉あるお知らせをいただき、驚くとともに感謝しています」と喜びのコメント。在任当時、JFA幹部とたびたび対立したことを踏まえて「日本サッカー協会での活動経験は、私のキャリアの中でも忘れることのできない大変貴重なものでした。決してすべてがスムーズに進んだ道のりではありませんでしたが…私のせいですね」と述べ、「日本代表チームのパフォーマンス向上に携わらせていただいたことが、今回の栄誉ある決定につながったと大変うれしく思います」と感謝の意を示した。

 なお掲額式典は例年、JFAの創設記念日である9月10日に開催されているが、今年は新型コロナウイルスの影響により延期。新しい開催日は決定次第、発表される。


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