北海道コンサドーレ札幌への加入が内定した長崎・国見高FW中島大嘉の記者会見が、9月1日に同校で行なわれた。スカウトが「一目惚れした」という逸材が、プロ入りの喜びと決意を力強く語っている。

上写真=札幌のユニフォームとタオルマフラーを身につけ、マスコットの『ドーレくん』のぬいぐるみを手に満面の笑みの中島(写真◎北海道コンサドーレ札幌)

ライバルは『怪物』ホーラン

 2002年6月8日生まれ、大阪府出身の中島大嘉は、RIP ACE SC U-15から長崎・国見高に進学。188センチ・77キロの体格、手動計時で5秒8から6秒フラットのスピードというポテンシャルの高さで次第に評価を高め、多くのJクラブが獲得に興味を示していたが、8月28日に北海道コンサドーレ札幌への加入内定が発表されていた。

 9月1日の記者会見には中島のほか、同校の山口朋之校長、サッカー部の内田利広総監督、木藤健太監督、札幌の竹林京介強化部長が出席。長崎のメディアに加え、オンラインで全国および北海道のメディアも参加し、大きな注目の中での会見となった。

 中島は「自分がいま、ここにいるのは、いままで自分をサポートしてくれた方々のおかげ。これからも感謝の気持ちを忘れず、プレーでも言葉でも伝えていければと思っています」とコメント。札幌を選んだ理由については「練習と試合を見に行ったとき、すごく良い環境が整っていたことと、とても素晴らしい監督・スタッフ・選手の方々がいて、ここで自分が努力すれば間違いなく、大きく成長できる、自分が目標としているところに近づけると思った」と説明した。

 竹林強化部長からは、獲得に至った経緯が明かされた。札幌の鈴木智樹スカウトが初めて中島のプレーを見たのは、7月末に鳥取県内で行なわれた練習試合。「能力に一目惚れして、報告があり、クラブ内で社長、GM(ゼネラルマネジャー)と相談した結果、獲りにいこうということになり、話をさせていただいた」(竹林強化部長)という。

 従来の流れでは、そこから練習参加を経て正式オファーに至るケースが多いが、現在は新型コロナウイルスの影響で練習参加が禁じられていることもあり、施設見学と試合観戦のみで中島を現地に招待。前述した本人のコメントにもあるように環境の良さも決め手となり、約1カ月というスピードで加入内定となった。

画像: 左から内田総監督、竹林強化部長、中島、木藤監督、山口校長(写真◎北海道コンサドーレ札幌)

左から内田総監督、竹林強化部長、中島、木藤監督、山口校長(写真◎北海道コンサドーレ札幌)

 中島は「高さと速さには自信がある」と語る一方、「いまのままだったらプロのレベルでは通用しないと自分でも気付いている」と現実を見据えた。それでも「札幌でミシャさん(ペトロヴィッチ監督)がいる良い環境でトレーニングすれば、もっと上のレベルで圧倒できるような武器になると思う」と、プロでの成長を思い描いている。

 加入内定発表に際し、クラブを通じて「最終目標はバロンドールを獲ること」とコメントしている。この日もあらためて「すごく難しい道のりだと分かっていますけど、サッカーをやるからには、そこを目指したい」と、世界年間最優秀選手賞への思いを明かした。

 さらに「1年目から結果を残して、3年以内に札幌でタイトルを取って、大きく成長してヨーロッパにチャレンジできたら」とも語った。同年代で意識している選手には「いま言ったら笑われるかもしれないけど…」と遠慮しつつ、ドルトムント(ドイツ)の『怪物』ノルウェー代表FWアーリン・ホーランの名前を挙げ、「ライバルだと思っているので、追い越して、もっと上に行けるように頑張りたい」と闘志を燃やしている。
 
 札幌のファン・サポーターにとっては楽しみな存在だが、来季まで待つ必要はないかもしれない。竹林強化部長はJFA・Jリーグ特別指定選手への申請を進めていることを明かし、「早いうちに発表できると思う。その後は木藤監督と相談して、許される範囲で札幌に来てもらうこともある」と語っている。若い選手を積極的に起用するミシャ采配で、今季中にJリーグデビューを果たす可能性もありそうだ。


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