長崎・国見高FW中島大嘉の、北海道コンサドーレ札幌への加入内定が発表された。長身とスピードで注目を集め、Jクラブの争奪戦を経て北の大地へ。「最終目標はバロンドール」と語る大器は一見の価値ありだ。

上写真=2得点を挙げた7月23日の練習試合でダイナミックなプレーを見せる中島(写真◎石倉利英)

多数のスカウトの前で2得点

 7月23日、鳥取県内で高校サッカーを取材した。地元の米子北高が中心となり、各地の高校を招いて行なわれたフェスティバル形式の練習試合で、お目当ては、国見高(長崎)のエースストライカー。『大型で、走っている姿がかっこよく、Jクラブからのオファーもあるそうです』との情報を聞かされ、取材を頼まれていた。

 会場に着くと、Jクラブのスカウトが多数詰めかけている。高校年代の試合がほとんど行なわれていない今年度、多くのチームが集まる貴重な機会だからな、と思っていたら、各スカウトのお目当ては私と同じだった。

 国見高のエースストライカー、中島大嘉。188センチ・77キロの体格と丸刈り頭で試合前から目立っていたが、米子北高との試合が始まると圧巻のプレーを披露する。

 まず目を引いたのが速さ。『スピードに乗れば速いけど、最初の数歩は時間がかかる』のが長身選手にありがちだが、中島は止まった状態から『ギュン!』と音がするような急加速を見せる。長い手を大きく振って走る姿は事前に聞いていた通りにかっこよく、迫力十分だった。

 大型だがボールタッチは柔軟。細かくステップを踏みかえて良い体の向きでボールを止め、すぐさま逆の足で持ち出してスピードを生かす。あれだけスピードがあれば『蹴って走る』だけでも脅威だろうが、緩急をうまく使っていた。

 前半に左からのパスを巧みにコントロールすると、素早く持ち出して先制点。1-2と逆転されて迎えた後半には、CKをヘッドで合わせて同点ゴールを決めた。撮影しながら何度も驚かされたが、各スカウトも能力の高さを再確認したようで、すぐさま強化部長に電話を掛けたり、「今日の試合を見て確信した」と正式オファーを決断するスカウトがいたと、のちに聞いた。


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