歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第21回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成21年(2009年度)は鹿島アントラーズが史上初の3連覇を達成し、日本代表が最速で南アW杯出場を決めた。

上写真=鹿島アントラーズが史上初めてJ1リーグ3連覇を達成した(写真◎J.LEAGUE)

際立った勝負強さ

 Jリーグ史に、新たな偉業が刻まれた。鹿島アントラーズがリーグ3連覇を達成したのだ。シーズン序盤から上位をキープし、一時は清水エスパルスや川崎フロンターレに首位を明け渡したものの、最後は地力を見せつけて、シャーレを掲げた。象徴的だったのは終盤にガンバ大阪や浦和レッズとの重要な試合をことごとくものした勝負強さ。常勝軍団の真価を示してみせた。

 一方で、J1リーグでは前年のJリーグカップ王者の大分トリニータや、JSL時代からの名門であり、前年に奇跡の残留を果たしたジェフユナイテッド千葉と柏レイソルがJ2に降格。安定した成績を出すことの難しさを感じさせた。

 JリーグカップではFC東京が5年ぶり2度目の戴冠を成し遂げた。しかも決勝の相手は多摩川クラシコのライバル、川崎フロンターレ。米本拓司と平山相太の得点で2-0とし、聖杯を掲げている。また、天皇杯はガンバ大阪が優勝。決勝では名古屋グランパスを4-1と下し、見事連覇を成し遂げた。なお、この決勝でも2得点の活躍だった遠藤保仁は、日本人としては02年の小野伸二以来となるアジア年間最優秀選手賞を受賞している。

■平成21年度の主な出来事(2009年シーズン)

・1月3日 大久保嘉人が神戸からボルフスブルク(ドイツ)へ移籍
・2月28日 ゼロックス杯は鹿島がG大阪を下し、10年ぶり4度目の優勝
・3月7日 Jリーグ開幕
・3月12日 日本サッカー協会がFIFAに2018年&22年W杯招致登録書を提出
・4月11日 なでしこリーグ開幕
・6月6日 南アフリカW杯アジア最終予選で日本がウズベキスタンを下し、世界最速で本大会出場権を獲得
・6月17日 大久保嘉人が神戸復帰
・7月10日 ユニバーシアード(ベオグラード大会)で日本は3位。永井謙佑が大会得点王に
・7月14日 大分がリーグ戦14連敗。シャムスカ監督が解任される
・8月8日 インターハイは前橋育英高が米子北高を下し、初優勝
・8月8日 JOMOカップ2009はJ-ALLSTARSがK-ALLSTARSに勝利
・9月5日 欧州遠征の初戦で日本がオランダに0-3で敗れる
・9月9日 日本がガーナに4-3で勝利
・10月11日 浦和レディースがなでしこリーグ1部優勝
・10月12日 高円宮杯(U-18)は横浜FMユースが磐田ユースを下し、初優勝
・10月30日 U-17W杯(ナイジェリア大会)で日本は3戦全敗でグループステージ敗退
・11月3日 ナビスコ杯はFC東京が川崎Fを下し、5年ぶり2度目の優勝
・11月8日 千葉がクラブ史上初の2部降格
・11月17日 Jリーグが経営危機に陥っていた大分に対し、総額6億円の融資を決定
・11月21日 渡邉千真が13ゴール目を決め、Jリーグ新人最多得点記録を更新
・11月24日 遠藤保仁がアジア年間最優秀選手賞を受賞。日本人選手としては02年の小野伸二以来
・12月4日 南アフリカW杯組分け抽選会が行なわれ、日本はオランダ、デンマーク、カメルーンと同じグループEに
・12月5日 鹿島が最終節で浦和を下し、前人未踏のJ1リーグ3連覇を達成
・12月24日 中山雅史が磐田から札幌へ移籍
・10年1月1日 天皇杯はG大阪が名古屋を下して優勝(第89回・09年度)
・10年1月1日 全日本女子選手権でベレーザが3年連続10度目の優勝(第31回・09年度)
・10年1月6日 大学選手権は明治大が51年ぶり2度目の優勝(第58回・09年度)
・10年1月11日 高校選手権は山梨学院大附高が初優勝(第88回・09年度)

画像: 鹿島の3連覇に貢献した小笠原満男がJリーグMVPを受賞した(写真◎J.LEAGUE)

鹿島の3連覇に貢献した小笠原満男がJリーグMVPを受賞した(写真◎J.LEAGUE)

画像: 内田篤人(左)と新井場徹がシャーレを手にポーズ(写真◎J.LEAGUE)

内田篤人(左)と新井場徹がシャーレを手にポーズ(写真◎J.LEAGUE)

FC東京が5年ぶり2度目のJリーグカップ優勝を果たす(写真◎J.LEAGUE)

画像: Jリーグカップ決勝で先制点を挙げたFC東京の米本拓司がMVPとニューヒーロー賞をダブル受賞した。右は梶山陽平(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグカップ決勝で先制点を挙げたFC東京の米本拓司がMVPとニューヒーロー賞をダブル受賞した。右は梶山陽平(写真◎J.LEAGUE)

画像: 09年シーズンのアジア最優秀選手に輝いた遠藤保仁の2得点などでガンバ大阪が名古屋を下し、天皇杯に優勝した(写真◎サッカーマガジン)

09年シーズンのアジア最優秀選手に輝いた遠藤保仁の2得点などでガンバ大阪が名古屋を下し、天皇杯に優勝した(写真◎サッカーマガジン)

画像: 2年連続で天皇杯を制したガンバ大阪(写真◎サッカーマガジン)

2年連続で天皇杯を制したガンバ大阪(写真◎サッカーマガジン)


This article is a sponsored article by
''.