ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督が2020年シーズンを戦うチームの補強ポイントして挙げたのが、チームの背骨に当たるセンターラインの再構築だった。そこで獲得したのがGK新井章太、MF田口泰士の両名だ。

上写真=左から新加入選手の櫻川ソロモン、山下敬大、見木友哉、田口泰士、尹晶煥監督、木村武揚、チャン・ミンギュ、新井章太(写真◎BBM)

新監督の意向に沿った補強

 1月6日に行なわれた新体制会見に登壇した強化責任者の髙橋悠太ゼネラルマネージャーは、今オフの補強ポイントを以下のように説明した。

「センターラインの強化ということも考えました。この数年間、チームの軸になるポジジションを固定できなかった。ですから、そこを埋めていくことを補強のポイントとしました」

 尹晶煥監督の求めに応じてクラブは選手獲得に動き、ジュビロ磐田からMF田口泰士、川崎フロンターレからGK新井章太を獲得。FWには山下敬大がレノファ山口から獲り、CBには大分トリニータから岡野洵を復帰させた。指揮官も彼ら新加入・復帰選手と既存戦力とを競わせる中で、センターラインの再構築を目指すと話した。

 今回の補強でとりわけ注目されるのが、GK新井の獲得だろう。髙橋GMも新井の獲得が大きなポイントになったと認めている。

「これまでチームの課題として、後ろの安定感が出てこなかったということがあった。やり方やチーム状況もありますが、GKや守備のミスもあり、安定感がなかった。その意味でこの1年間、新井選手のプレーはすごく安定感がありましたし、あとは彼の持っている人間性というところも、今のジェフに足りない部分だと思っています。そういうところも含めて今回、新井選手にオファーして獲得しました。能力も、すごくバランスが取れている。データ上からも分かりますが、ハイボールのキャッチング、シュートストップ、フィードについて全体的にバランスが良く、大きな欠点のないGKです。なおかつチームを後ろから鼓舞できるメンタリティを持っている」

 昨季、17位と低迷した千葉の失点数は64。自動昇格した1位柏が33、2位横浜FCが40であることを考えれば、失点数の多さが際立つ。得点も柏が85、横浜FCが66であるのに対し、千葉は46。昇格組に大きく水をあけられた理由は数字にも表れるが、『攻撃のため守備』の強化を目指す尹監督にとっては、守備の安定を図ることが不可欠だった。そこで白羽の矢が立ったのが昨季、川崎Fでルヴァンカップ優勝の立役者となった守護神・新井だった。

「去年の結果は去年の結果。それは優勝チームであっても去年の結果です。だから(千葉の成績も)問題とは考えていない。選手はそろっているので、シーズンをしっかり戦う準備ができれば、昇格争いできる」と、新加入会見で新井はきっぱり言い切った。クラブの期待通り、その言動で早くポジティブな空気をもたらしている印象だ。

 川崎時代に「1回勝ったか勝たないか。それくらい(尹監督のチームは)強かった印象があるし、まとまっていた印象がある」と語る新井は、「ジェフでもそういうチームを作ってくれるはず」と尹監督とともに戦うシーズンに期待を寄せる。むろん、指揮官は「ベテランであるからと言って試合に出られわけではない」と現時点では全選手がフラットな状態にあり、ポジションを確約してはいないが、「センターラインを補強したいという話を(就任会見で)みなさんにしましたが、GKをはじめ、うまく補強できたと思っています」と、新井の加入がチームにとって大きなプラスであることを認めている。


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