1月2日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で高校サッカー選手権2019の2回戦、神戸弘陵学園(兵庫)対明秀日立(茨城)の試合が行なわれた。神戸弘陵学園がMF沖吉大夢の2得点などで明秀日立を破り3回戦へ駒を進めた。

上写真=明秀日立戦でも最終ラインで存在感を放った田平(写真◎金子悟)

■2020年1月2日 全国高校サッカー選手権2回戦(神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)
神戸弘陵学園 3-2 明秀日立
得点者:(神)沖吉大夢2、松野隼輝 (明)根本琳生2

「このチームで少しでも長く」

「『俺が行く』。その強い気持ちが、ディフェンスでは大事」

 高校卒業後のセレッソ大阪入りが内定しているU-18日本代表センターバックの気迫が、明秀日立の同点ゴールを阻止した。2-1で迎えた61分、明秀日立のDF塙啓太のロングパスからFW海老原拓弥にDFの背後のスペースを突かれ、神戸弘陵学園のGK大月耀平との1対1の場面でシュートを打たれる。その瞬間、一目散に田平起也がスライディングし、シュートをブロックした。

「(止めることができた要因は)気持ち。あそこで体を張れたのも、みんなの思いがあったから。僕はこのチームで少しでも長くプレーしたいので、それが出せたのかなと思います」

 このピンチを防ぐなど、攻撃陣のリードを守り切って3回戦に駒を進めた。翌1月3日には、新潟県代表の帝京長岡とベスト8の座を懸けて争う。相手はプロ入り内定3選手を擁する優勝候補の一角だが、そのうちの一人、町田に加入するFW晴山岬は、U-18日本代表で共に戦う仲間であり、ライバルでもある。

「どの相手にも負けられないけれど、特に晴山岬とは代表で一緒にやっているので、岬には負けたくない。代表では(合宿中は)同部屋で仲が良くて、いろいろな話をしてきました。だから、岬がいるチームと試合をできるのは、めっちゃうれしいですね。岬も選手権で気合いが入っていると思うけれど、それを上回る力を見せられたらいいなと。岬の特徴をだいたい分かっているので、それを消すこと。岬をしっかりシャットアウトして、次は無失点で抑えて、チームを高みに導けたらいいです」

 1回戦の秋田商戦(〇3-2)に続き、2回戦でも2失点。「僕はクリーンシート(無失点)を毎回の目標にしているから、2試合で4失点は悔しい」と話すように、DFとして満足できる勝ち方はできていない。それでも、プロ入りを前に戦う高校生活の集大成で栄光をつかむため、田平は目の前の試合を見つめる。

「まず一戦一戦やっていくことが大事。最後の大会で守備のところ、攻撃のところ、あとは自分がこのチームを引っ張って行く気持ちだったり、ひと味もふた味も違いを見せたい。プレッシャー、重圧に耐えられないとプロの世界でも通用しないと思うので、しっかり結果を残せたらいいなと思います」

 高校年代屈指の長身DFの挑戦は、まだまだ続いていく。

取材◎小林康幸

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